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トヨタ マークX 250G FOUR(GRX130/新型)
(2回目のマイナーチェンジ後)
トヨタ
マークXは、トヨタの高級スポーツセダンとして販売され、2004年にマークⅡの後継モデルとして発売されました。今回の試乗車はマークXでは2
代目(2回目のマイナーチェンジ後)、マークⅡからの通算だと11代目に該当する歴史がある1台とも言えるかもしれません。
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試乗車概要
TOYOTA Mark-X 250G FOUR(GRX130)
今回試乗したGRX130マークXは2009年に発売されており、7年経った2016年11月に再2回目のマイナーチェンジが施されました。
クラウンなどとプラットフォームを共用しており、一回り小さいながらクラウンと同等の乗り心地が実現されています。
日本で販売されているFR車の中では最も価格が安いことが特徴で、さらにエンジンはV6のNAエンジンのみが設定されています。
正式グレードと概要
TOYOTA Mark-X 250G FOUR
排気量
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2,500㏄
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最高出力/トルク
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203ps/24.8kgm |
走行距離 |
280km
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今回の平均燃費
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10.2km/L
(メーター読み)
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車両本体価格 |
330万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
スノー・ドライ
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今回試乗したマーク
X 250G FOURは、マークXのベースグレードに当たります。
スポーティなグレードをご希望の場合には、250S/250S FOURを
ある程度走りこむような場合には、250RDS/350RDSというグレードがあります。
また、廉価グレードとして、250G Fパッケージ/250G FOUR Fパッケージがあります。
マークXにおける”FOUR”は4WD車を意味し、FRベースの4WDとなります。そのため、今回は雪道走行の試乗記がメインとなります。
GRX130 マークXの変遷
2009年に発売開始した130系マークXは、2016年末になっても
ようやく2回目のマイナーチェンジに留まっています。2017年4月現在のウワサでは、FFベースになるとか、1.5Lターボエンジンを搭載するとか、
マークXそのものが消滅するとかのウワサが流れています。
少なくとも、現行型のマークXのようなV6
NAエンジンが搭載され続けることは考えづらく、搭載されるエンジンも大幅に改良されることは間違えないでしょう。今回の2度目のマイナーチェンジに関し
ては、その開発が遅れている等の理由で踏み切られたものであると推測されます。
2009年に発売開始された130系マークX(前期)
デビュー当時は決してカッコ悪い1台とは思いませんでしたが、何となくオジサン臭く、あまりスポーティという概念は無さそうでした。
2012年に1回目のマイナーチェンジが施された。(中期)
スピンドルグリルを思わせるスポーティなデザインに変更になりました。また、このほかFパッケージでもHIDヘッドライトが標準装備されるようになりまし
た。
続きまして、2回目のマイナーチェンジを迎えた後期型の試乗記です。
マークX 250G
FOUR(後期) エクステリア(外観)
まずは、マークX(後期)のエクステリアデザインの紹介です。
よりスポーティな見た目になったフロ
ント
マークX 250G フロントデザイン
特にフロントグリルがクラウン
アスリート同様、網目状になったことでスポーティ感がアップしました。最近のトヨタ車らしく、フロントダクトが大きくなったのも特徴です。口角を上げると
美しくなると言いますしね。
マークX 横から
特徴は無く、ごく普通の大きめのセダンです。
マークX 250G(ベースグレード)には16インチアルミが装備されます。
決してカッコ良いデザインとは言えず、このアルミを装着するとオジサン臭さが増すように思えます。
マークX リアから撮影
クリアテールが採用されています。
なかなか標準でクリアテールが採用されている車も見ないような気がしますね。
また、寒冷地仕様のためセダンではあまり必要なさそうなリアワイパーも装備されています。
マークX 250G
FOUR(後期) インテリア(内装)
まずは、マークX(後期)のエクステリアデザインの紹介です。
デザインに関しては中期モデルのマークXと変更点は感じられません。
座り心地は地味に良いマークXのフロ
ントシート
何気に座り心地は悪くありません。
ドイツ車ほどのホールド性は感じられないものの、程よく沈み、シートポジションもスポーティな位置になるため、運転することを考えるとクラウンよりも好き
なシートです。
間違えなく言えるのは、レクサスIS(2013年以降モデル)のベンチみたいなビニルシートと比較をすれば、快適なシートです。
後期のマークX 250Gには運転席のみパワーシートが装備されています。
(不要かもしれませんが、助手席パワーシートは250S以上のグレードのようです。)
本革巻きステアリングを装備
Fパッケージをのぞく全グレードに本革巻きステアリングが装備されています。
一方、中期モデルまであった250プレミアム/350プレミアムは後期モデルで消滅したため、ウッドコンビステアリングが廃止になりました。
フルオートエアコン
デザインが全く変わってない(と思います。)
あ、中期モデルにあったか分かりませんが、内気循環に切り替えると曇り防止のため自動的にA/CがONなってくれるという優しい機能が今回のマークXには
装備されていました。
マークXの後部座席
マークXの後部座席
何故かは分かりませんが、マークXの後部座席は広く、フロントシートを快適な位置にしてもクラウンより後部座席が広く感じられます。これであれば、4人で
の長距離ドライブも快適になりそうです。
東京の個人タクシーでは多くが導入しており、高速道路を走行してもずいぶんと快適な後部座席だったことを覚えております。
マークXのトランク
トランクルーム(ラゲッジスルー対応)
かつては、このトランクでも狭いと思っていました・・・。
でも、
しかし、最近はハイブリッドが主流になったため、マークXのトランクルームの広さですらありがたく感じられます。しかもラゲッジスルーが装備されており、
後席に人が乗らなければ、スキー板を大量に積むことも可能です。
マークX 250G
FOUR(後期) 走行性能
2009年より発売されており、かなり熟成の進んだ車であるとも考えられますが、いくらマイナーチェンジが施されたとしても、普通に運転する限り従来型と
比較して変化は感じられませんでした。
一方、250G
FOURはFRベースの4WDとなっており、排気音が若干太い音がするなど、通常のFRのマークXと比較をすると違和感を感じる点も多々あります。
街中の走行性能
小樽市内で撮影しましたので交通量は少ないです。
現行のマークX(2009年に発売されてから)になってから、2.5Lエンジン車はレギュラーガソリン仕様に変更になりました。そのため、(ずいぶん古い
話題になりますが、)先代のマークXと比較をすると、アクセルは重たく加速が悪くなる感じが強いです。
と言いつつ、クラウンと比較をしてもボディは軽いですし、重たい印象があるだけで全く不満はありません。
また、足回り性能も良く交差点を曲がる際にも、あまりスピードを落とす必要もなく、運転の労力は少ないように思えます。さらにクラウン同様に、視界が良く
運転もしやすいです。
山道における走行性能
先述している通り、足回り性能は悪く無いため北海道のような峠道は快適に走行出来ます。現実的に北海道の場合には一般道でも高速域に達することもあります
が、(常識の範囲内の速度なら)車両自体安定しており、気持ち良く走行出来ます。
また、追い越しをする際も、マークXはアクセルをベタ踏みすれば普通に速いクルマであるため、簡単に加速をすることが出来ます。
そのため、田舎道を走行する際においてもストレスを感じることのないクルマと言えるでしょう。
しかし、
2.5LのマークXには6ATが装備されていますが、下り坂の峠でエンジンブレーキを併用しようとすると、3速(までの自動変速)にセットすると減速をせ
ず、2速(までの自動変速)にセットすると急激にエンジンブレーキがかかるため、ちょうどよく峠道を下ることが出来ません。
これだけは、何時間運転しても慣れることはありませんでした。
高速道路における走行性能(完全ドラ
イ路面)
マークXで高速道路を走行した際に写真撮影を忘れたため、C-HRで高速道路を走行した際の写真を代用しまし
た。
マークXの土台はクラウンさらにはレクサス(IS等)と共用しているため、当然ですが高速時の走行性能は良いです。ドイツ車には及ばないものの、旧型スカ
イライン(V36)よりは安定していますし、スバル車と比較をするとV6エンジンは静粛性にも優れ快適です。
ただし、もう1点ドイツ車に到底及ばない点があり、
スタッドレスタイヤを装着した状態で高速域にな
ると車両が全く安定しない。
(高速道路における常識の範囲内の速度です。)
過去スタッドレスタイヤを装着したドイツ車で高速道路を走行したことがありますが(うち1台は超高速域)、ノーマルタイヤと遜色がありませんでした。ある
いは、マツダCX-5やスバル インプレッサやレヴォーグで走行した際も、ノーマルタイヤとほぼ遜色ありませんでした。
一方、クラウンやマークXのスタッドレスタイヤ装着車で高速道路を走行すると、たまに恐怖に感じることがあります・・・。
なお、ノーマルタイヤで走行する分には一切問題は感じませんでした。ドイツ車には勝てないけれど、素晴らしい安定感を持っています。
マークX 250G
FOUR(後期) 雪道における走行性能
せっかく、4WDのマークXの試乗記なので、雪道の走行性能も検証してみたいと思います。
一応、マークXに採用されているFRベースの4WDは、通常走行時
前後=30:70のトルク配分になっています。雪道などで滑りはじめるコンピュータが判断し、前後=50:50のトルク配分に近づけてくれます。
したがって、なんちゃって4WDと呼ばれたりもしていますが、日本車では数少ないフルタイム4WDとなっており、実はスバルに匹敵するレベルだったりもし
ます。ただ、スバルは車体のバランスが優れているため、圧倒的にAWDとしての性能が高いと言えます。
マークX以外にクラウンのi-Fourも同じ4WDシステムです。
4WDのマークXの雪の坂道発進性能
某スキー場の駐車場で撮影。某スキー場とは札幌国際スキー場のことです。
写真では分かりづらいですが、かなり急な斜面となっている坂道です。
結果:なかなか坂を上らず諦めました・・・。
原因:本来掛けることのないパーキングブレーキを掛けていたため・・・。
一応言い訳を・・・、異常低温の場合、パーキングブレーキを掛けてはいけませんが、急な上り坂で一瞬写真撮影を
するために停車したため、安全のためパーキングブレーキを掛けて停止しました。しかし、慣れないことをしたため、パーキングブレーキを外す行為を忘れてい
たため、上り坂でスムーズに進むことが出来ませんでした・・・。一方、そのままバックをした際はスムーズに動いたため敷地を出るまでパーキングブレーキの
存在に気づきませんでした。
と言うわけで、上り坂発進の検証は失敗です。ただ、後に訪れた小樽で若干雪が残っている坂道で発進を試みたところ、問題なく発進したため、生活四駆として
は問題ないでしょう。
4WDのマークXの雪の山道走行性能
基本的にはカーブでも なかなか滑らないです。
そして、限界を試そうとしても、ちょっとくらいの速度では限界に達することがなく、4WDとしては優れた雪道走行性能を持っているのだろうと感じられまし
た。(なかなか横滑り防止装置ことVSCは作動しませんでした。)
ただ、なぜか分かりませんが、アウディ クワトロやスバル
シンメトリカルAWDと比較をすると、山道を走行していても安心感は無く、少し神経を使いながら雪道を走行しました。
4WDのマークX 轍を走行
アウディA4を試乗した際の画像を流用・・・。
北海道の道路では追い越しをすることが多々あり、その際に路面が上の画像のようにコンクリートが露出している部分とシャーベット状の雪が残っていたりする
と、一般的にどの車でも最悪な状況です。下手にシャーベットをまたごうとすると、スピンをする可能性があり、車種によっては車線変更を行わない方が良い場
合もあります。
で、今回のマークX 250G
FOURですが、シャーベットをまたぐ際にコンピュータが助けてくれるため、十分に気をつけながら行えばスリップすることは無さそうですが、目の前のバス
が道を譲ってくれた時には、かなり手に汗を握りながら追い越しを行いました・・・。
※十分に減速すればシャーベット状の轍でも怖くないということを初めて説明しておきます。
4WDのマークX 雪道走行性能総評
したがって、直線でも必ず安心できない車であるという印象は否めませんでした。車のバランスは悪く無いはずなのですが、どうしてもスバル車やアウディ車と
比較をすると、安心して走ることが出来なかったのが正直な感想です。
しかしながら、優れた4WD技術であるため、ちょっとぐらい雪深い場所に行ったとしても、安全に帰ってくることは出来るでしょう。
なお、今回は普通の雪道しか走らず、雪深い場所は走りませんでした。
マークX 250G
FOUR(後期) その他 気になった点
2016年に2回目のマイナーチェンジが施されたマークX 250G FOUR(後期)の気になった点をいくつか紹介します。
古い設計が隠せない・・・
主にインテリアになるのですが、2009年登場時からほとんど変わっておらず気になる箇所を紹介します。
その1.
メーター中央のドライブ インフォメーション ディスプレイが液晶では無い。
(上の画像だと平均燃費と書いてあるところ)
今どきクラウンどころか、カローラやヴィッツにも液晶ディスプレイが採用されており、なぜ改良出来なかったのかが疑問でもあります。
その2.
ライトのAUTOの位置が一番上。
最近のトヨタ車の場合、
OFFの1つ上がAUTOの位置になっています。
まぁ、どうでも良いですね。
マークXのメーカーオプション純正ナ
ビが無くなった
中期モデルのマークXまでは、メーカーオプションで、
ご覧のようなナビをつけられました。
ただし、全グレードで標準装備している車両は無く(もしかしたら前期型の一部でナビが標準装備されていたかもしれませんが)、ナビだけで53万円掛かる代
物で、マークXのオーナーの大半は後付けナビでした。その代わり、バックモニタやスピーカーの数が多いなどのメリットもあります。
現在、純正ナビを装着する場合には上のようなディーラーオプションのナビのみの設定です。
たしか、スピーカーもオプションで選択できたような気がしますが、ディーラーで購入するくらいなら社外品の方が良いのでは?とも思ってしまいます。
トヨタ
セーフティセンスPが新たに装備
今回のマークXのマイナーチェンジの最大の目玉は、安全装置の充実にあるでしょう。マークXにもセーフティセンスP(グレードの高い方)が全車標準装備に
なりました。
レーダークルーズコントロールも装備されており快適です。
ただ、通常レーダークルーズコントロールの場合、前方の車両が停止すると自車も自動的に停車しますが、マークXの場合は「ブレーキ制御付き」というものが
あり、約40km/h以下の速度になるとレーダークルーズコントロール自体がオフになるため、自分でブレーキを踏む必要があります。
これはマークXに限らず、クラウンなども同様の設定になっており、完全停止可能なトヨタ車はプリウスやC-HR・アルファードやヴェルファイアのレーダー
クルーズコントロール装備車に限られるようです。
オートマチックハイビームも装備されています。
HIDでもLEDヘッドライトでも、オートマチックハイビームは装備されますが、上向きと下向きの切換のみで、アダプティブヘッドライトのようなものは
ありません。
マークX 250G
FOUR(後期) 総評とまとめ
もともと私は130系マークXは大好きな1台で、試乗記を書くペースも他の車種と比較をすると圧倒的に早く書くことが出来ました。
マークXが大好きな1台である理由として、
・性能はクラウンと同等ながら、300万円以下から購入可能。
・今では珍しいV6-2.5L(3.5L)のNAエンジンの吹きあがりはターボには無い心地よさ。
・運転がしやすい車ながら、足回りはしっかりしている。 など
V36スカイラインが無くなった現在、日本で販売されているFR車の中でもっともコストパフォーマンスに優れた1台であると言えます。
常にフルモデルチェンジがされるとウワサされていながら、変にフルモデルチェンジなどでハイブリッドや2.0Lダウンサイジングターボになったら非常に悲
しかったでしょう。
その一方、マイナーチェンジが施されたわりに、安全装置が増えたとは思いますが、ベースグレードの走行性能の向上は あまり感じられませんでした。
マークX 250G
FOUR まとめ
・とにかく運転しやすく無難なクルマ。
・エンジンの静粛が非情に優れている。
・加速感はモッサリするものの、本気で踏み込めば十分に速い加速性能。
・足回り性能も悪く無く、高速道路・街中・山道どこでも走れる。
・デザインは少々オジサン臭い。
・どれだけ良い車であってもセダンの場合は売却時に価値が下がる。
・雪道走行時カーブなどで滑ることが少ない。
・轍を走行する際に少々不安を感じる。
・日本車では珍しいフルタイム4WD。
・スタッドレス装着時の高速時の安定感が無い。
まもなく、マークXが消滅します。仮に車名が残ったとしても、V6エンジンは間違えなく廃止になるでしょうから、今のうちに乗っておきたい1台です。も
し、設計の古い車両を新車で購入するのが気になるようであれば、中古車で購入するのも選択の一つかもしれません。
クラウンよりもコストパフォーマンスに優れ、プリウスやプレミオよりも面白い車、それがトヨタ マークXではないでしょうか。
関連項目:
クラウンハイブリッド アスリートS
トヨタ クラウン ハイブリッド
ロイヤルサルーン(2.5)
日産 V36 スカイライン250GT FOUR
日産 V37スカイライン
200GT-t(次世代ターボ)
スバル レガシィB4 Limited
トヨタ クラウン マジェスタ Fバージョン
ヴェル
ファイア エグゼクティブラウンジ3.5
アルファード 2.5S
7人乗り(2WD/30系)
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム(30系/マイナーチェンジ後)
レクサス LX570(後期)
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