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トヨタ C-HR S-T(1.2Lターボ/4WD)
トヨタC-HRはトヨタの世界戦略SUVであり、もっともコンパクトなSUVとなります。ライバルは日産ジューク・ホンダ
ヴェゼル・マツダCX-3などが該当します。
今回はせっかく4WDであるため、雪道の走行テストを兼ねての試乗記です。
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試乗車概要
TOYOTA C-HR 1.2S-T
C-HRはプリウスと同じTNGAプラットフォームを採用しており、プリウスをベースにSUVにするとC-HRが生まれると言ったところでしょう。
ハイブリッドは設定されていますが、1.2Lダウンサイジングターボも選択することが可能であり、日本だけでは無く、世界中に目を向けていることが分かり
ます。
正式グレードと概要
TOYOTA C-HR S-T(1.2 TURBO/4WD)
排気量
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1,200㏄
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最高出力/トルク
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116ps/18.9kgm |
走行距離 |
200km
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今回の平均燃費
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-km/L
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車両本体価格 |
約280万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
スノー・ドライ
(スタッドレス装着)
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C-HRには、Sグ
レードとGグレードの2通りがあります。そこに-Tがつくグレードがガソリン車1.2Lターボエンジンを搭載、ついていないものがハイブリッドになりま
す。
今回試乗するC-HR
S-Tは2グレードあるうちの下のグレードになります。何となく40系プリウスαのグレード構成に準じており、下のグレードであっても装備内容がチープす
ぎることは無いようです。
トヨタC-HR
S-T エクステリア(外観)
C-HRはトヨタの世界戦略車である
ためデザインも世界戦略・・・
C-HRをフロントから撮影
日産ジュークは奇抜なデザインが印象的でありますが、トヨタC-HRもジュークほどではありませんが、奇抜であり、マヌケなフロントデザインとなっていま
す。
しかし、ヨーロッパではこのようなデザインが受けているとか。要するに、筆者のような日本の庶民が本格フレンチが口に合わないようなものでしょう。爆発し
た髪型の芸術家が見れば、「素晴らしい」という人は多いかもしれません。
ルノー
キャプチャーを真似したようなデザインにも見えないことは無いのですが、残念なながらヨーロッパ車のようなオシャレさをC-HRで感じることは出来ませ
ん。
C-HR 横から撮影
ごく普通そうなコンパクトSUVです。
C-HRのリアドアのドアノブ
しかし、リアドアは変な位置にドアノブがあるため、重たい荷物を持って開閉する際にはボディに傷をつけてしまいそうです。C-HR以外にも、ジューク・
ヴェゼルも妙な位置にドアノブが付いています。
リアからの撮影
第一印象「何だ?こりゃ???」です。
やはり私は芸術家ではないため、C-HRのリアデザインの素晴らしさを理解することが出来ません。
見方を変えれば、あまり大きくない印象があり、運転がしやすそうとも思えます。何となく、ステーションワゴンのような印象です。
トヨタC-HR
S-T インテリア(内装)
C-HR S-Tの運転席周り
内装は控えめ
ジュークはインパクトの強い外観に対し、内装もジュークらしい内装になっています。
一方のC-HRですが、内装は控えめになっています。乗ってしまえば外観も分からず(見えない)、無難な内装がお好きな方にはオススメかもしれません。
シートの座り心地は欧州車には匹敵しないものの、悪くはありません。ライバルが欧州車というワードも悪く無いと思います。
しかし、フロントシートは手動式になっています。
ゲート式シフトレバーが廃止
トヨタでは珍しいストレートタイプ
2016年までのトヨタのシフトレバーと言えば、ハイエースやサクシード、センチュリー等、ほぼ全車種でゲート式のシフトレバーが採用されていました。
(プリウス等の一部ハイブリッド車では、電子選択式です。)
しかし、新たに発売されたC-HRではガソリン車、ハイブリッドともにストレートタイプが採用されるようになりました。何が起きたのでしょう?
そして、プリウスでは採用されなかった電子式パーキングブレーキがC-HRには装備されているようです。
フルオートエアコンは装備
C-HR S-Tは最低グレードに該当にしますが、フルオートエアコン等の便利な装備はあります。
フルオートエアコン以外にも、
本革巻きステアリングもあります。
C-HRの後部座席はあまり狭さは感
じない
C-HRの後部座席の広さ
写真では広くなさそうですが、実際に着席した限りは
それほど狭く感じることはありません。また、天井が低そうに見える車体ですが、クラウンの後部座席のように天井に頭がぶつかることも ありませんでした。
C-HRのラゲージスペースは意外と
広い
この辺はよく出来ていると感心したいところですが、C-HRのラゲージスペースは思った以上に広いです。トノカバー装着時には容積は少ないものの、トノカ
バーをはずせばスーツケースの縦置きも出来ます。
トヨタC-HR S-T
1.2Lダウンサイジングターボ 走行性能
C-HR S-T 1.2Lダウンサイジングターボ ガソリン車の走行性能を紹介します。主に、峠道・高速道路の走行性能について紹介します。
C-HRの乗り心地
3月の北海道は路面の雪も溶けはじめ、荒れた路面がむき出しになっている箇所が多いのが特徴です。そこにより乗り心地を悪くするスタッドレスタイヤを装着
して走行することで、荒れた路面を走るたびに車内は大きく揺れ、あまり乗り心地が良いものではありませんでした。
ただ、揺れ自体は大きいのですが、車酔いをするほどの嫌な揺れでもありません。
そのことより、C-HRはトヨタが努力して欧州車なみの性能に近付けたのだろうと感じられます。
足回り性能は優れており、峠道の走行
も快適
ハンドルを切ってから曲がりはじめるまで独特の間があるものの、カッチリとした足回りはSUVであることを忘れさせてくれます。トヨタが欧州車に近づけよ
うとする努力を感じることが出来ます。
ただし、あくまでも「ハンドリングが優れている」というだけで、欧州SUVと比較をして匹敵するかと問われれば、残念ながら欧州SUVほどの性能は感じら
れません。ただし、北米にも輸出されることを考慮すればちょうど中間くらいになるため良いのでしょう。
1.2Lダウンサイジングターボ
エンジンはイマイチ
エンジンの問題では無く、これだけ重たい車体に1.2Lのエンジンでは物足りません。このあたりは、1.8Lハイブリッドに軍配が上がりそうです。
また、ミッションもCVTであるため、VW車やアウディ車ほどの「走るの楽しさ」は感じられません。
さらに、ミッションのプログラムが悪いためか、アクセルを踏み込んでも瞬時にローギアに切り替わらず、手動でシフトダウンを行わないと、ちょっとした隙の
追い越しをする際に苦労します。
SPORT MODEがスゴイ
走行モード切替はドライブモードの項目より変更します。
何がスゴイかと申しますと、「1.2Lダウンサイジングターボでは加速性能がイマイチ」と先述しましたが、スポーツモードに切り替えた瞬間に、それがウソ
であったことを謝罪する必要があります。
例えば、ノーマルモードで急加速をしようとしても、100km/hまでの加速時間は長く感じられます。しかし、スポーツモードに切り替えを行うと、軽く一
踏みであっという間に100km/hに到達します。要点は「とにかく速い」ということです。
また、スポーツモードはハンドリング性能も切り替わるようでして、スポーツモードに切り替えをし、峠道を走るとなかなか楽しいドライブが出来るのでは
ないでしょうか。
難点は、ワンプッシュで切替が出来ず、ステアリングスイッチを操作する必要があります。
トヨタC-HR
S-T(4WD) の雪道における走行性能
まず、C-HRはハイブリッドは2WDのみの設定、ガソリン車は4WDのみの設定となっており、プリウスにE-Four(4WD)がある現在、意味不明な
設定となっています。
日本であればハイブリッドが確実に売れるわけなので、ぜひE-FourがC-HRのラインナップに加わることに期待をしたいです。
C-HRの4WDシステムの方式
C-HRのガソリン車の4WDにはダイナミックコントロール4WDと呼ばれるAWDシステムが採用されています。これはスタンバイ式4WDのことで、基本
は前輪駆動、滑りやすい路面になるとコンピュータが制御して4WD(50:50の駆動配分)走行になるものです。
C-HRの他にハリアー ガソリン車4WDにも採用されています。
ダイナミックコントロール4WDのメリット
・基本はFFに近い状態で走行するため燃費向上に貢献する。
・簡易的な4WDであるため車両価格への影響が小さい。
・トヨタの他のスタンバイ式4WDで採用されているアクティブトルクコントロールより性能が良い。
ダイナミックコントロール4WDのデメリット
・一般公道の雪道は走行出来るが、悪路を走るためのシステムでは無い。
と言うことで、C-HRの4WDシステムはよく「なんちゃって4WD」などと言われていますが、あくまで生活四駆であることには変わりなく、雪道で埋まら
ない4WDと考えていただいた方が無難であると思います。
ただ、プリウス等に代表されるE-FourよりはAWDとしての性能は優れているという点は主張させてください。E-Fourは技術的には素晴らしいもの
ですが、AWDとしはC-HRの方が上であると感じられますし、プリウスよりも雪道では滑りにくかったと言えます。
実際のC-HRの雪道における走行性
能
場所は北海道のオロフレ峠(道道2号線)です。以前、プリウスE-Fourやランドクルーザー
プラドの雪道走行テストを行った場所です。3月であまり積
雪されている区間が多くありませんでしたが、何とか雪深い場所もあり、ボツになりませんでした・・・。
実際に峠道を走った印象を申し上げると、
・滑らない(横滑りをしない)
・よく曲がる
・雪道における坂道発進も問題無し
です。
したがって、C-HRに搭載ダイナミックコントロール4WDは世間では「なんちゃって4WD」と呼ばれていても、雪道走行においての性能は大変優れてお
り、安心できる4WDの1台であると紹介させていただきたいです。
ただし、雪道のカーブにて横滑りすることが無いため(Audi
A4で散々事故を起こしそうになったためVSCはON)、面白味も一切なく、アスファルトの上を走行する感覚です。
トヨタC-HR 気になる点
C-HRの気になる点をまとめてみました。
後方視界が尋常じゃなく悪い
まず、リアガラスの面積が狭く後ろが見えません。
巻き込み確認もこのリアドアのデザインでは出来ません。
バックミラーで確認をすることは問題ありませんが、広角ミラーではありませんし、死角に車やバイクがいることを検知する機能であるブラインドスポットモニ
ターはGグレードのみの装備です。
デザイン性を重視しているとのことですが、トヨタは一体何を考えてこのようなデザインにしたのでしょうか?
まず、リアガラスが狭いことにより、車庫入れなどバックをする際に、人を撥ねてしまうリスクが高くなります(※)。また、リアドアガラスの設計があまりに
マズイ設計となっており、巻き込み確認をする際に斜め後方を確認するのですが、このガラスではすることが出来ません。
※バックモニタが装備されていても雪道を走ると・・・
したがって、このようにオシャレなクルマは日本
の教習所で免許を取ったばかり若者が決して運手してはいけない1台になるでしょう。
セーフティセンスPが標準装備
50系プリウス同様、セーフティセンスP(どちらかと言うと高性能バージョン)が標準で装備されています。そのため、ACC(アダプティブクルーズ
コントロール)も装備されており、高速道路はもちろんのこと、北海道の道路でも快適に走行が可能です。
システム上は同じはずなのですが、C-HRでACCで走行したのですが、カーブに差し掛かっても、急激に加速をすることが無く、何となく安心して運転する
ことが出来ました。
ハロゲンヘッドライト・・・
Sグレードはハロゲン・・・・
50系プリウスは全グレードでLEDヘッドライトが装備されていますが、C-HRは車両本体価格を抑えるためか、Sグレードにはハロゲンライトが装備され
ています。
また、C-HRにはトヨタブランドで初めて、シーケンシャル ターンランプ(流れるウインカー)が装備されます。(Gグレードにオプションで装備可能。)
C-HRに必要かどうかは、購入する人次第ということで・・・・・。
トヨタC-HR S-T(1.2Lター
ボ) 総評とまとめ
C-HRはトヨタが考える世界戦略SUVということであるため、欧州車にも対抗(追いつくことが)出来る1台であることは間違えなさそうです。
今回試乗したのはC-HRは1.2Lダウンサイジングターボであることも含め、ハイブリッドの独特の走りを考えれば、車らしさを感じられるでしょう。車ら
しさを感じられると述べつつ、難点はミッションがCVTであることでしょう。
日本仕様においてこのご時世にMTを設定する必要はありませんが、せめてトルコンATやDCTを設定してくれた方がより一層、車らしさを感じられるのでは
ないでしょうか。それと同時に、1.2Lエンジンでは物足りず、1.6Lや2.0Lターボあるいはディーゼルもラインナップに加わればベターと言えるで
しょう。
C-HRは特にハイブリッドを選択すれば、ファミリーで車選びに厳しい奥様を騙す(トヨタブランドのHV=燃費が良く家計に優しい。)のに最適な1台では
あると思います。運転もしやすく、なんといっても、車に乗ってしまえば、外観のデザインも気になりません。
トヨタ C-HR S-T まとめ
・エクステリアデザインについて褒められる点は一切ない。
・インテリアにはエクステリアほどの奇抜性が感じられない。
・しかし、世界戦略車という観点では悪く無いかもしれない。
・1.2Lダウンサイジングターボはボディに対して物足りない。
・アクセルを踏んでも瞬時に加速してくれずストレスを感じる。
⇒ただし、スポーツモードに切り替えると猛烈な加速になる。
・ハンドリング性能は世界戦略車の名に恥じない。
⇒やはりスポーツモードに切り替えるとイイ走りになる。
・C-HRはガソリン車はAWDのみ。日本での売れ筋であろうHVには2WDのみの意味不明な設定。
・AWDは「なんちゃって4WD」と言われるスタンバイ式4WD。
・実際に雪道を走ると滑らず埋まらずで、普通に生活する分には問題ないAWDである。
デザインはブサイク、生活するうえでの実用性はあまり感じられない、趣味性重視のC-HRです。ただし、購入を検討するか?と問われれば、検討すらせず、
フォルクスワーゲン ティグアンを選択するでしょう。
こんな車の車両本体価格が300万円近いのは私の中では納得できません。
ただ、アンチトヨタの人が述べているほどAWDの性能は悪くありません。雪国においても安心して購入することは可能です。
関連項目:
トヨタ C-HR G ハイブリッド
トヨタ プリウスS E-Four
トヨタ アクア
X-URBAN(10系/後期)
トヨタ カローラフィールダー
ハイブリッドG W×B
日産 ジューク NISMO
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