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クラウン ハイブリッド アスリートS Four
(210系/後期 クラウンアスリート 4WD 雪道試乗記)
トヨタ クラウンはトヨタが販売している高級セダンです。ライバルは日産フーガ・ホンダ
レジェンド・メルセデス・ベンツEクラス・BMW5シリーズあたりを想定しています。ただし、クラウンはほぼ日本専売車であることが特徴で、日本車らしい
足回り性能になっています。
また、今回はアスリートS Fourと呼ばれる4WDのグレードとなっており、北海道におけるクラウン4WDの雪道走行性能も紹介します。
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試乗車概要
TOYOTA CROWN HYBRID ATHLETE S Four
210系クラウンは初代より数えると、14代目になります。最大の特徴は大幅なダウンサイジングが施された点にあります。
詳しくは省略しますが、210系クラウンアスリートの後期モデルより2.0Lダウンサイジングターボを搭載したモデルもラインナップに加わりました。
210系クラウンはV6-3.5L/2.5L(NAガソリン)、2.0L
ダウンサイジングターボ、直4-2.5Lハイブリッドとバラエティに富んだパワートレインとなっています。
正式グレードと概要
TOYOTA CROWN HYBRID ATHLETE S FOUR
排気量
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2,500㏄
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最高出力/トルク
(システム出力)
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220ps/-kgm |
走行距離 |
403km
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今回の平均燃費
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13.3Km/L
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車両本体価格 |
530万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
ドライ・スノー
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今回試乗するクラウン ハイブリッドアスリートSはアスリートの中間に位置するグレードになり、
クラウン アスリート
・・・装備内容の簡素化(ウレタンステアリング・ナビレス・手動シート等)
クラウン アスリートS・・・クラウンに相応しい装備。
クラウン
アスリートG・・・本革シートやサンシェード等上等な装備が満載。
という構成になっています。
ただ、クラウン ハイブリッドアスリートS自体は前期モデルで試乗していますし、クラウンの後期モデルはすでにロイヤルサルーンで紹介しています。
このページでは4WD(FOUR)による雪道の走行性能を
紹介する点において重点を置こうと考えております。
クラウン アスリートS 後期 外観
簡単にクラウンアスリートの外観(後期)を紹介します。
よりスポーティな見た目になったフロ
ント
写真上:210系後期 クラウンアスリート
写真左:210系前期 クラウンアスリート
210系クラウンと言えば、稲妻のようなスピンドルグリルが印象的なフロントデザインですが、後期モデルになると、より一層鋭い眼差しとなります。
特にライト周りを見ると前期と後期の違いが分かりやすいのでは ないでしょうか。
クラウンアスリート サイドデザイン
横から眺めてもアスリートなのかロイヤルなのか区別がつきません・・・。
マジェスタになるとロングボディになります。
よりスポーティな見た目になったフロ
ント
クラウンアスリート リア
クラウンアスリートの最大の特徴は、リアテールランプが丸いことにより、スポーティに見えることでしょう。丸目4灯と言えば日産スカイラインですが、すで
にインフィニティと化したスカイラインには丸目4灯は採用されなくなりました。
クラウン
アスリートS 後期 インテリア
簡単にクラウンアスリートの内装(後期)を紹介します。
クラウンアスリート 運転席周り
アスリートではありますが、シート以外にアスリートらしい装備は特に見当たりません。
210系クラウンロイヤルサルーン 後期のページでも紹介していますので、この辺は省略させていただきます。
クラウンアスリート スポーツシート
クラウンアスリートS フロントシート(パワーシート付)
ロイヤルと比較をすると硬めに設定されているシートです。ただ、それほどホールド性に優れておらず、あくまでも乗り心地重視の1台であることが理解できま
す。長距離の移動も座っていて苦になりませんが、やはり欧州車と比較をすると長距離向きのシートでは無い印象を受けます。
※何でも欧州車を基準にするのはどうか?という意見もあると思いますが・・・。
なお、冬の北海道においてはシートヒーターとステアリングヒーターは必須装備です。ファブリックで装備できるのはハイブリッドのみで、ガソリン車は本革
シートを装備する必要があります。
(アスリートSにオプション、アスリートGに標準装備)
後部座席は広め
後部座席はそれなりに広いです。
ただ、東京の個人タクシーで散々座っている場所ですが、それほど感動することもない後部座席と言ったところでしょう。(近頃のアルファードやヴェルファイ
アの内装がゴージャスなため)
アスリートGでフルオプションだったとしても、アルファードやヴェルファイアのエグゼクティブラウンジには敵いません。
ハイブリッドでもトランクは意外と大
きい
セダンのハイブリッドの弱点はトランクの容積を狭くするか(クラウン、レクサスGS等)、スペアタイヤレスにするか(レクサスIS300h等)になりま
す。
そのため、クラウンハイブリッドも例に漏れずトランクが狭くなるのですが、海外旅行用のスーツケースは4つ入りますし、ゴルフバッグも2つは入ります。ラ
ゲッジスルーが不可能なため、スキー板を積むkとは難しいですが、クラウンハイブリッドのトランクはかなり実用的であると言えます。
クラウン
アスリートS 後期 走行性能
まず全体的な点として、筆者はハイブリッド車が好きではないものの、クラウンを運転すると凄まじいほどの安心感がありま
す。したがって、トヨタの高級車として相応しい1台であることに変わりありません。
クラウンに乗るまでは別の車に乗っていたこともありますが、雪道における走行性能紹介のページにて紹介します。
高速道路はあまり安定しない
雪道走行のため当然スタッドレスタイヤを装着しています。
(銘柄:ダンロップ ウィンターマックス)
大概のドイツ車にスタッドレスタイヤを装着して高速道路を走ってもスタッドレスタイヤ装着を気付かないことが多々あります。しかし、クラウンの場合はタイ
ヤの柔らかさの影響をもろに受け、高速域における(特に横風には)安定感が無いと言えます。
もちろん、ノーマルタイヤであれば優れた安定性を持っていると言えるでしょう。(ただし、「日本の高速道路に限る」としておきます。)
山道を走っても魅力が分からない
スタッドレスタイヤを装着していることもあり、アスリートである魅力がよく分かりません。
ただ、実用重視であるため、ハンドルが軽いです。そのため、山道でもオモチャみたいなハンドリングであり、面白味に欠けます。
以前
別のクラウンのページでも紹介した通り、ロイヤルサルーンとアスリートとで足回り性能に大差が無く、アスリートの方が少し硬めに設定されているという程度
です。それは後期になっても大きな差はありません。
同乗者が車酔いしやすい場合には、乗り心地も良く変な横揺れを起こさないアスリートの方が良いかと思います。
クラウン ハイブリッドアスリートS
Four 雪道走行性能
続いては、クラウン4WDの雪道における走行性能を紹介します。
装着タイヤはダンロップ ウィンターマックスです。
まずはクラウンハイブリッドの4WD
システムを紹介
どうでも良い方は飛ばしてください。
クラウンにはフルタイム4WDが採用されており、前後40:60のトルク配分で必要に応じて50:50~30:70に配分されるようになっています。
通常、トヨタのハイブリッドに採用される4WDシステムはE-Four(高性能なモーターでアシスト/プリウス、ハリアーHV、アルファードHV等に採
用)であることが多く、クラウンには本格的な4WDシステムが採用されていると言って間違えなさそうです。
考え方は、ガソリン車であるi-Fourと同じになりますが、i-Fourの場合には電子制御によりトルク配分が切り替わりますが、ハイブリッドに採用さ
れている4WDシステムはトルセンLSDにより制御されていることが特徴です。
どちらもフルタイム4WDであることと、今のコンピュータが優秀であることを考えれば、日常生活における雪道にでは、どちらも性能に差は無いと言えます。
その根拠として、素晴らしいAWDシステムで有名なスバルも一部車種を除いてLSDを採用せずVDCが制御しています。
以上クラウンの4WDシステムの紹介は おわり
誤りがありましたらごめんなさい。というくらい4WDは奥が深いのです・・・。
クラウンハイブリッドの4WDでは雪
道のカーブが意外と安心
クラウンハイブリッドで雪山を走行
意外とよく曲がります。
以前クラウンガソリン車の4WDシステムであるi-Fourと同じ4WDシステムであるマークX 250G
FOURに試乗した時に、安定している(滑りにくい)ものの、曲がらない・・・つまりアンダーステアステア傾向が若干強めの印象でした。
今回は若干4WDシステムの異なるクラウン
ハイブリッドですが、多少スピードを出してカーブに差し掛かっても良く曲がる印象を受けました。あまりスピードを出してカーブを曲がろうとすると、アン
ダーステア傾向になります。
逆の考え方をすれば、オーバーステアを起こして逆ハンドルを切る必要性が無い(少ない)ため、雪道でも安心できる1台には違いないでしょう。
凍結路面における高速走行
高速道路やドイツなどにおける一般道の話題です。
(道路交通法の話を無視すれば北海道の話題にも・・・)
凍結路(特にアイスバーン)で100km/hで走行する際に、車種によっては恐怖を感じることがあります。(横風や轍の要因があります。)
しかしクラウンで凍結した高速道路(それ以外は自粛)で100km/hで走行しても真っ直ぐ走行することが可能です。
今回深い轍は走行していないものの、ところどころ大雪に見舞われた際に、追い越しをすることがありましたが、それほどブレることなく安定して追い越しをす
ることが可能です。
札幌市内における雪道走行性能
札幌市内の雪道を走行
札幌市内の雪道は、水分が限りなくゼロに近く、除雪が追いつかない裏道を走行すると、FRのタクシーもスタックすることが日常茶飯事です。夕方にはアイス
バーンに歩いていても滑りやすいため、転倒に注意が必要です。
発進時、クラウン ハイブリッド Four(4WD)の場合、夕方のアイスバーンになったとしてもVSCが作動しながら安定した発進をしてくれます。
つまり、クラウンの4WDは雪道でも安心して走ることが出来るのです。
視界不良の大雪
視界不良の大雪の中を走行
先述の通り、何が理由であるか上手に説明することは出来ません。しかし、クラウンは「視界不良かつ滑りやすい路面」であっても上記の通り、安定した走行を
行うことが出来、運転に集中できるためか、視界不良であっても安心することが出来ます。(筆者だけかもしれませんが)
もちろん、ドイツ車(特にアウディクワトロ)と比較をしても遜色が無いと述べるつもりは一切ありません。が、どのドイツ車と比較をしてもクラウンの雪道走
行における性能は劣っていると言っても問題無さそうです。
日常生活の範囲内であれば、優れた雪道走行性能を持っていることは間違えないと断言できますし、Eセグメントの中で装備十分にしても500万円程度で購入
できる1台として考えるならば、クラウンは大変優れた1台であると言えるでしょう。
クラウン ハイブリッドアスリートS
Four その他
後期モデルのクラウンの気になる点を紹介します。
クラウンもセーフティセンスPが標準
装備に
現在となってはクラウンにも全グレードにセーフティセンスPが標準装備されるようになりましたが、今のトヨタの持つ最新技術のものではありません。
レーダークルーズコントロールやオートマチックハイビーム(※)は装備されていますが、ステアリングアシストは車線から逸脱する場合に限って制御するもの
であるため、自動運転は時期クラウンに期待する必要があります。
※Gグレードにはアダプティブハイビームアシストが装備
上記以外のクラウンの気になる点は過
去の210系クラウン紹介のページで
クラウンハイブリッド アスリートS(210系 前期)
トヨタ クラウン ハイブリッド
ロイヤルサルーン(2.5)(210系 後期)
トヨタ クラウン マジェスタ Fバージョン(210系 後期)
クラウン ハイブリッドアスリートS
Four 総評とまとめ
クラウンの4WDシステムはなんちゃって4WDなどと揶揄されますが、雪道における走行性能は恐怖感を覚えることもなく優れています。しかも、クラウンに
採用されている4WDシステムはガソリン車もハイブリッド車も今どき珍しいフルタイム4WDです。
また、加減速の少ない走行シチュエーションの場合、ハイブリッドは燃費に不利だと言われていますが、雪道中心の北海道の大地をクラウンの4WDで
13.0km/L以上の燃費性能を叩き出せれば、かなり優れた燃費性能であると言えます。
主力のパワートレインがV6では無く、次期クラウンにはV6が搭載されないのではないかという情報もあり、非常に残念ではあるものの、いつの時代において
も安心して乗ることが出来るクルマであることには変わりありません。
雪道も安心して走行することが出来ます。
クラウン
ハイブリッドアスリートS
Four まとめ
・クラウンに相応しい装備を持つグレードはアスリートS
⇒豪華な装備がご希望であればアスリートGがオススメ。
・やはりクラウンは日本に相応しい高級車。乗り心地、運転のしやすさは優れている。
・アスリートでも乗り心地が良い。ただし、ハンドリング性能は良くない。
⇒よりスポーティな味付けを求めるのであれば、レクサスGSがオススメ。
・4WDでもハイブリッドであれば、燃費性能も素晴らしいと言える。
・フルタイム4WDの性能も安心して走れる。
クラウン ハイブリッド アスリートS
Fourは基本的にかなり無難な良い車です。面白味は一切ありませんが、誰が乗っても安心できるトヨタらしい1台であると言えます。
なお、FRのクラウン(2WD)で大雪の中を走行すると、地獄を見ます・・・。すぐに滑るし、凍結した坂道を登るのは困難です。雪が多い地域であれば、
4WDを選択することをオススメします。
関連項目:
トヨタ マークX 250G
FOUR(後期/新型)
アルファード 2.5S
7人乗り(2WD/30系)
USトヨタ カムリSE(北米仕様)
レクサス
LS460 バージョンC(後期)
トヨタ プリウスS E-Four
ヴェル
ファイア エグゼクティブラウンジ3.5
トヨタ アクア
X-URBAN(10系/後期)
トヨタ カローラフィールダー
ハイブリッドG W×B
ハリアー ハイブリッド プレミアム "アドバンスドパッケージ"
トヨタ C-HR
S-T(4WD/1.2Lダウンサイジングターボ)
トヨタ C-HR G ハイブリッド
日産 V37スカイライン
200GT-t(次世代ターボ)
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム(30系/マイナーチェンジ後)
日産
フーガ250GT(後期/インフィニティエンブレム)
レクサス LS500h バージョンL(50系)
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