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エスティマ アエラスプレミアムの試乗記
(ガソリン車/50系/4期型/多分最終モデル)
1990年の発売開始より3代目になるトヨタ50系エスティマは2006年に販売開始されています。エスティマはトヨタの主力ミニバンの1台で、50系エ
スティマが2006年に販売されており、すでに10年経過しているにも関わらず、2016年に3回目のマイナーチェンジが施されています。
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試乗車概要
TOYOTA ESTIMA AERAS PREMIUM (2WD)
まず、特筆すべき点・・・でもありませんが、エスティマは3回目のマイナーチェンジをもって、3.5Lエンジンが廃止されました。
2.4L+モーターのハイブリッドか2.4Lのガソリン車です。本来、アルファードやヴェルファイアが2.5Lになったため、排気量アップを期待したいと
ころですが、古い骨格では難しかったのでしょう。
正式グレードと概要
TOYOTA ESTIMA AERAS PREMIUM (2WD)
排気量
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2,400㏄
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最高出力/トルク
(システム出力)
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170ps/22.8kgm |
走行距離 |
150km
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今回の平均燃費
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9.1km/L
(満タン法)
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車両本体価格 |
約340万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
ドライ・ウェッ
ト
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今回試乗したエス
ティマ
アエラスプレミアムは、プレミアムという名称ながら、下から2番目のグレードになり、アルミホイールや運転席パワーシート等の基本的装備が充実しているグ
レードと言えます。
また、2016年のマイナーチェンジで全グレードに「アエラス」の名称が与えられ、見た目スポーティになりました。
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム 外観
今どきのトヨタ デザイン
私も含めてエスティマのファンの方は多いはずですが、このフロントデザインに関しては賛否両論あるかもしれません。少なくとも、私はこの涙目風ヘッドライ
トのデザインを持つエスティマのフロントデザインに魅力を感じません・・・。
しかし、10年目のマイナーチェンジでもヒット作を予感させるのがエスティマだけに・・・です。
横から見ればエスティマらしい卵形ボ
ディ
そういえば、大昔のエスティマのコマーシャルで「天才タマゴ」なんていうキャッチフレーズがありましたね。
当時から変わらない卵形ボディは、ある意味美しい流線型を放っており、アルファードやヴェルファイアのような室内空間の居住性を重視したデザインと比較を
すれば、カッコよく感じられます。
全グレードで18インチアルミを装備
アエラスらしさがあります。
参考までに、16インチスチールホイールを選択することも可能です。(約-10万円)
リアデザインもエスティマ
マイナーチェンジ前と比較をしても大きく差は無いように見えます。
アエラス(AERAS)のグレードエンブレムが無くなりましたね。
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム 内装
エスティマはミニバンらしく優れた実用性を持つインテリアとなっています。
高級感のあるシート
ハーフレザー調で、個人で所有するには悪くないと感じられます。
しかし、4期目に突入したエスティマですが、本革シートの選択が出来なくなり、最上級グレードのアエラスプレミアム-Gでもハリアーに採用されている合成
皮革のシートしか選択できません。
また、最上級グレードのアエラスプレミアム-Gであっても、ガソリン車の場合、ひじ掛けなどは上の写真と同じものが採用されています。アルファードやヴェ
ルファイアがグレードによってクラウンと同じようなコンソールボックスが採用されているのに対し、少々残念でもあります。
そのため、エスティマはミニバンの中でもアルファードやヴェルファイアと比較をすると格下というイメージとなるのでしょうか。(3.5Lグレードが無くな
る点を考えても、ターゲット層がアルファードやヴェルファイアとは違うのでしょう)
エスティマの2列目は本気を出すと広い
足元がゆったりしています。
最低グレードのアエラス以外はすべて7人乗りとなっており、2列目シートは左右独立のキャプテンシートとなっています。
2006年3代目エスティマが発表された際には、広くてなんて豪華なシートなのだろうと思った記憶があります。(キレイなおねえさんが足を伸ばしたコマー
シャルを見たような)
しかし、2008年に登場した20系アルファード(350G Lパッケージ/350S Cパッケージ)やヴェルファイア(3.5Z
Gエディション/3.5V
Lエディション)では、超豪華に見えるキャプテンシートが装備されたことにより、エスティマの豪華なシートも霞んでしまいました。
参照:
写真左:30系ヴェルファイア3.5ZA”Gエディション” 2列目
写真右:30系アルファード 2.5S 2列目
現在のエスティマはアルファードだと2.5S 7人乗り(アルファード下から2番目のグレード)に匹敵すると考えて良いでしょう。
一応、両側電動スライドドアが装備されています。
エスティマだって負けてはいないよ
その1
本来運転席付近にあるコンソールボックスを2列目まで持ってこれます。
(写真は一番後ろにした状態)
一応、ドリンクホルダーなどは装備されているため、車内で酒盛りするにはもってこいですね。
ちなみに、このコンソールボックスですが、
収納スペースをうまく活用することで2Lペットボトルも入ります。
コンビニで、サントリー南アルプスの天然水(関東地方のミネラルウオーター)が500mlのペットボトルが108円(税込み)に対し、2Lペットボトルが
100円(税込み)という矛盾がありますが、エスティマであれば、安くて大きいお水も購入することが出来ますね。
その2
大型フットレストも装備
多少足が長い方でも快適に利用できるフットレストで、長時間の移動も快適になることでしょう。
したがって、
フルフラットにすれば車中泊も苦ではありません。
(定員2名、フロントシート合わせれば最大4名でしょう。)
その代わりシートの幅は狭く、男女の仲を確かめ合うのは難しそうです・・・。
エスティマの3列目は貨物室・・・
車の形状が卵形なので容積はアルファードやヴェルファイアと比較をすると狭いです。
ただ、4人乗車が前提であれば、十分に荷物を積むことは出来るでしょう。
そんな、貨物室の3列目ですが、レバーを引っ張ると簡単にシートを取り出すことが出来、収納スペースが少なくなるものの、
シートの背もたれを倒さなければ、縦にゴルフバッグが入りそうです。(2つくらい?)
ちなみに、3列目シートの座り心地は、
貨物室またはエコノミークラスという表現が適当でしょう・・・。
ドリンクホルダーもありますし、2列目シートをもう少し前にすることも容易ですので、ウィッシュと比較をすれば圧倒的に快適です。ヴォクシーと同等です。
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム 走行性能
もともとミニバンに走行性能を求めていません。もし求めるとすれば、私はパワー(しかもトルク)ですが、2.4Lエンジンでは期待できませんし、しかも車に興味も無く、運転もしない奥様なら間違えなく、経済性(燃
費)を重視されることでしょう・・・。
どうでも良い前置きはさておき、今回は(というより いつもですが)運転者視点にてエスティマは運転しやすいのかを考えてみました。
エスティマで高速道路を走ると?
ミニバンでかっ飛ばすつもりもありませんが、ある程度の速度域であっても車は安定しています。強い横風に煽られなければ、快適な車ではないでしょうか。
数値を測定していないので、あくまでも「何となく」にはなりますが、
アルファードやヴェルファイアと比較をすると車高が低い分、重心も低くなるはずです。そのため、高速道路くらいの緩いカーブを通過する場合でも、アル
ファードやヴェルファイアよりも安心感があります。
エスティマで山道(峠道)を走行する
と?
ゆっくりの速度で通過すれば、先ほどの高速道路同様、アルファードやヴェルファイアよりも重心が低いはずである分、快適になる印象が強いです。乗り心地も
変に突き上げる感も少ないです。
しかし、あまり速度を落とさずにカーブに進入すると、後部座席に置いたカバンが、行方不明になります・・・。
したがって、エスティマ
アエラスであっても足回りはセダン車とは比較できないくらい悪いので、カーブの前では減速することをオススメします。(車酔い対策にもなりますし)
エスティマでの街中走行は?
どの車にも運転感覚の慣れは必要であるのですが、私としてはアルファードやヴェルファイアよりも小さい卵形のボディであることから、運転しやすく感じます。
であれば、5ナンバーサイズに収まるヴォクシーやエスクァイア・ノアとの比較になるのですが、感覚的に横幅が少し大きく感じるくらいで、特別大きい車を運転している感はありません。また、足回り性能で比較をすればエスティマの方が圧倒的に足回り性能が上です。
したがって、トヨタ
エスティマとは、トヨタのミニバンの中で最強の1台になるのでは ないでしょうか。
ちなみに、ハンドルの切れも悪くなく、車庫入れも簡単に行えます。
エスティマ
アエラスプレミアム その他 気になった点
あまりによくできた車であるため、気になった点も少ないのは事実です。ということで簡単に紹介させていただきます。
2016年マイナーチェンジでトヨタ
セーフティセンスCが装備
トヨタ セーフティセンスとは衝突被害軽減ブレーキを指します。
今回エスティマに採用されているセーフティセンスCですが、廉価版(簡易版)になります。機能が充実し、安全性が高いのはトヨタ
セーフティセンスPと呼ばれるもので、クラウンやアルファードなどの高級車に装備されていることが多いです。
本来であれば、エスティマは高級な部類になるためセーフティセンスPを装備してほしかったのですが、技術的にコストが高くなってしまうことが理由で、今回
のマイナーチェンジでのセーフティセンスPの採用は見送られました。
と言いつつ、衝突被害軽減ブレーキ自体は装備されており、装備の有無で安心感も違うものです。(まぁ、あまりお世話になりたく ありませんが・・・。)
収納は充実
さすが日本車と言っておきましょう。運転席周りの収納スペースは十分です。
しかし、小物入ればかりで、大きなものはコンソールボックスしか入りません。また、これだけ収納スペースがあると、どこに何を入れたか忘れてしまいそうで
す。
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム 総評とまとめ
販売から10年経過しても、さらに部分改良にとどめる。全面改良をしなくても売れる車だということになります。ただ、全面改良をしなければ開発費は抑えられる
はずにも関わらず、今回のマイナーチェンジで値上げされてしまっています。
(その代わり、全グレードにセーフティセンスCを標準装備)
日本国内において車が売れないと言われる昨今、大きく利益を上げている企業ならば、「売れるから高い車にする」のではなく、少しでも車を買いやすい環境にして
ほしいとも感じます。
一方、エスティマの性能面ですが、評価をしづらいほど無難に良くできた車となっており、「車を運転する楽しさ」を一切排除した上で良いクルマと思えます。
また、トヨタ ミニバン同士で比較をしても、運転する上で、実用上で一番良いクルマがエスティマであると私は考えています。
こうなると、一番のライバルとなるであろうオデッセイ(アブソルート)にも試乗してみたいとも思ったりします。
トヨタ エスティマ
アエラスプレミアム(30系/4期)まとめ
・とにかく無難で快適で良いクルマ。
・アルファードやヴェルファイアよりも小さく運転しやすいうえ、車内も広くて快適。
・7人乗りグレードであれば、最大4名までがオススメ。
⇒3列目は広くなく、急に人が乗る時用などの用途がオススメ。
・トヨタ セーフティセンスCが標準装備など安全面も向上。
・マイナーチェンジ前の30系エスティマ所有者でも、乗り換えはオススメかも。
・トヨタの他のミニバンと比較をしても運転性能のトータルバランスが優れている。
・ハイブリッドもラインナップされており、(低燃費=ハイブリッドの)奥様に交渉しやすい。
・パワーを求める場合、3.5Lグレードが廃止になったことからアルファード等がオススメ。
・常に5人以上乗る場合、運転が苦でなければアルファードやヴェルファイアがオススメ。
・走行性能を求めるなら、マークXの方が良い。
私は、エスティマ3.5Lが本当に購入したかったのですが、今回のマイナーチェンジでエスティマを購入する選択肢から無くなりました。しかし、それでも良いクルマであることには違いありません。
また、フルモデルチェンジも近いことから楽しみでもあります。
関連項目:
ヴェル
ファイア エグゼクティブラウンジ3.5
アルファード 2.5S
7人乗り(2WD/30系)
トヨタ
ヴェルファイア3.5ZA”Gエディション”
USトヨタ シエナ SE
北米日産 QUEST
トヨタ クラウン ハイブリッド
ロイヤルサルーン(2.5)
クラウンハイブリッド アスリートS
トヨタ クラウン マジェスタ Fバージョン
トヨタ プリウスS E-Four
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