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スバル インプレッサG4 2.0i-L アイサイト

(GK7/シンメトリカルAWD)

スバル インプレッサG4(GK)

スバル インプレッサは、1992年より販売されているCセグメントの乗用車。GK型は5代目インプレッサに該当します。

ライバルはアウディA3セダンやマツダ アクセラセダンあたりになるでしょう。少なくとも、セダンタイプに限定すれば、トヨタや日産にはライバルになりえる車種は考えにくいです・・・。



試乗車概要

SUBARU Impreza G4 2.0i-L Eyesight(GK7)

2016年に発売開始されたGK/GT系のインプレッサは、
セダン:インプレッサG4
ハッチ:インプレッサ スポーツ

として発売されています。

また、5代目インプレッサには新世代のスバル グローバル プラットフォームが採用されており、操作性が大幅に向上したと言われています。

インプレッサにはターボ車の設定はありません。



正式グレード

SUBARU Impreza 2.0i-L Eyesight(GK7)

排気量
2,000㏄
最高出力/トルク 154ps/20.0kgm
走行距離 約250km
(街中・高速・峠)
今回の平均燃費 -km/L
車両本体価格 約250万円ほ ど
試乗日の路面状態 スノー


今回試乗したインプ レッサG4 2.0i-L アイサイトは、3グレード構成のうちの中間グレードに該当します。搭載エンジンはFB20(2.0L NAエンジン)です。

一番下のグレード(1.6i-L)は1.6LのNAエンジンを搭載し、最上級グレード(2.0i-S)は2.0i-L同様、2.0LのNAエンジンを搭載 し、装備内容を充実したグレードになっています。


また、全グレードで2WDとAWDの選択が可能となっており、雪が降らない地域では安く購入することも可能です。







インプレッサG4のエクステリア(外 観)

まずはインプレッサの外観デザインの紹介です。

GKインプレッサG4のフロントデザ イン

スバル インプレッサG4(GK)
新しくなったインプレッサG4のフロントデザイン

スバル車に興味が無いと、先代インプレッサのフロントデザインの面影を残しているように見えますが、フロントライトを見れば、最近のスバル車らしくLED ライトとなっているなど、たくましくなったように感じられます。




インプレッサG4 リアから

スバル インプレッサG4 リアから撮影
インプレッサG4をリアから撮影

ごく普通のセダンとしか感じられません。




インプレッサG4 横から

スバル インプレッサG4横から
横から撮影

以前より、インプレッサ セダン(G4やアネシス)など、絶妙にバランスが取れているデザインであり、かといってフェラーリのように美しすぎるデザインでも無く、ちょうど手の届き やすさを感じられます。

女優に例えるなら、
フェラーリやランボルギーニが、菜々緒・北川景子・桐谷美玲
だとすると、

インプレッサG4は、
多部未華子・・・では無く、
清水富美加・・・は引退しちゃったし・・・、



ん~・・・

まぁ要するに、程よく美人という意味です。
(多部未華子さんとか賛否・・・・以後自粛します・・・。)





インプレッサG4 2.0i-L には17インチアルミが装備

17インチアルミ
切削光輝の17インチアルミです。
なお、1.6i-Lには16インチアルミが、2.0i-Sには18インチアルミ(切削光輝)が装着されます。





インプレッサG4のインテリア(内装)

インプレッサG4(GK)のインテリア

続いてはインプレッサG4のインテリアの紹介。
印象としては、欧州車同様にシンプルな内装で使いやすいインテリアであると感じられます。



快適なフロントシート

インプレッサG4 2.0i-Lのフロントシート

インプレッサは以前より(私が知っているのはアネシスですが)、グレードを選べば快適なシートとなっており、当時の国産1500㏄クラスでは、最も欧州車 に近い存在でした。(マツダ アクセラという車もありましたが)


現在のインプレッサG4は、1600㏄か2000㏄であるため日本市場を考えると、ワンランク上になってしまったような気もしますが、フロントシートのク オリティは相変わらず高いと思われます。

座り心地は、スバル レヴォーグと同様であり、レガシィほどの快適性は無いものの、長距離の移動も快適に過ごせそうです。


手動シート
ただし、電動シートは装備されず、手動シートになっています。




リアシートの広さは期待をしてはいけ ない・・・

インプレッサG4 2.0i-Lのリアシート
フロントシートを快適な位置に移動をすると後部座席は あまり広くありません。
ただ、座り心地は まずまずと言ったところでした。





フルオートエアコンなどは装備

フルオートエアコン
フルオートエアコンは装備されています。








インプレッサG4 2.0i-L 走行性能

インプレッサG4の走行性能
すごくどうでも良いのですが、アイサイトで自動追従中の際にブレーキが掛かると、モニタに表示されます。私の知 る限りはスバルだけです。

新世代プラットフォームであるスバル グローバルプラットフォームを採用した新しいインプレッサG4の走行性能を紹介します。




乗り心地は普通に快適

インプレッサG4(GK)のインテリア

街中走行や山道走行などを行い全体を通して感じた乗り心地ですが、特に印象に残った点は無く、「普通に快適」が適切な表現になります。もっとも、荒れた路 面の北海道の道路をスタッドレスタイヤを装着して走行しているため、ガタガタ感は否めません。


欧州車ほどの硬さは無く、カローラ(ベースグレード)と比較をすればカッチリした乗り心地であるため、段差が多い個所でも不快では無く、峠道でも不快は無 く、万人受けする1台でしょう。





インプレッサに搭載の2.0Lエンジ ン(FB20)

私はスバルの2.0L NAエンジンを運転するのは2009年以来であるため、約8年ぶりになります。

当時運転した2.0L NAエンジンはレガシィ ツーリングワゴンであり、4代目レガシィBP5型でした。このクルマはアクセルを踏み込んでも なかなか進まないし、足回り性能は野暮ったく、一方でターボ付きに乗っているヤツはマナーが悪く、もっとも大嫌いな車の1台でもありました。



そして現在のインプレッサに搭載されている2.0L NAエンジン(FB20)ですが、
かなり性能が良くなったと思います。

まず、普通に加速をしてくれます。スバルの水平対向エンジン(ボクサーエンジン)特有のもたつき感は否めないものの、力強い加速感があるため、長距離の運 転における苦労も減るでしょう。

また、かつて私が運転したレガシィは4ATであったのに対し、現在のインプレッサはリニアトロニック(CVT)であることも加速性能向上に貢献したと考え ております。(個人的にはCVTは嫌いですが)



ということで、優れたエンジン性能を持つインプレッサですが、加速性能だけで見れば、レヴォーグに搭載されている1.6Lターボエンジンの方が良いように 思えます。





インプレッサでの峠道走行は比較的快 適

峠道を走行
インプレッサG4で峠道を走行

まず、加速性能が優れているため上り坂であっても問題ありません。

カーブを通過する際にもスポーティな味付けとなっており、インプレッサG4はバランスが取れた車であると認識できます。ただし、あくまでもスポーティな味 付けというだけであり、インプレッサG4(2.0i-L)のハンドリング性能に特別な感動はありません。

その一方、ハンドルを切った際にグニャっとする感覚は無く、以前のスバル車と比較をするとハンドリングは改善されたと言えるでしょう。




高速道路の走行性能

高速道路
カーブの多い札樽自動車道を走行(路面状況は完全ドライ)

まず、料金所を通過した直後から急加速を試みましたが、特にSモード(最近のスバル車はステアリングスイッチで切替可)していないのですが、結構速いです。「2.0Lにターボを搭載しなくても良 い」という意見も十分に理解できます。


一方高速時の安定性ですが、スタッドレスタイヤを装着している状況ではあるものの、ごく普通に走行出来ます。高速域であっても恐怖感を感じることはありま せんし、安定もしています。





インプレッサG4 2.0i-L(シンメトリカルAWD)雪道走行性能

ニセコ五色温泉
ニセコ五色温泉(2017年1月に撮影)

3月になっても冬の気配が消えることは無く、この地域はまだ冬のままです。気温も低く、北海道らしいパウダースノーの路面状況になっています。

こんな雪深い地域でスバルお得意のシンメトリカルAWD(インプレッサオーナーの7割以上はAWDを選択するらしい)の走行性能をアウディ クワトロ(A4)と比較しながらお伝えしたいと思います。



(Audi A4の時のおさらい)ニセコ五色温泉への道のり(道道58号線)



上記のルートだと、倶知安駅からわずか40分ほどの道のりですが、途中にはニセコスキーリゾートの中心地があったり、バラエティに富んだルートになってい ます。夏になると、冬季通行止めが解除されるため、16kmほどの道のりとなっています。

今回のニセコの選定理由としては、ずばり「温泉に入りたいから」です。

また、温泉に入りたい以外にも、
・札幌から程よい距離
・イイ感じの峠道
・北海道内でもかなりの豪雪地帯で、相当雪が降り積もることが予想される
・冬季はニセコ五色温泉に向かうためだけの1本道となるため、交通量が少ない
 (実際には、ウィンターアクティビティを楽しむために道道58号線を利用する人もいます。)
などなど挙げられます。




轍は普通に通過できる

希望の無い轍

雪道をよく走る方であればご存知の方も多いと思いますが、除雪が頻繁に行われるような道路では、轍が発生しやすいです。

特に市街地や気温の高い地域で除雪後に雪が降ると、シャーベット状の轍が出来上がるため、たとえ4WDであったとしても、うかつに車線変更を行おうとする と車体のコントロールを失い最悪はスピンする恐れがあります。



しかし、今回試乗をしたインプレッサG4(シンメトリカルAWD)で轍を通過しても、若干コントロールを失うものの、VDC(横滑り防止装置)の働きもあ り、苦労せず通過できました。

路面状況で変わるので一概に申し上げることは出来ませんが、アウディA4の際には片手で轍をまたいだら一瞬手に汗を握る程度に対し、インプレッサG4の場 合は両手で一瞬手に汗を握るくらいです。個人的にはA4の方が安定感があるように思えました。



雪道での追い越しも容易

それでも、インプレッサG4の性能は優れていると断言でき、こんなような道路で追い越しをする際にも問題無く快適に追い越しが可能です。




雪の峠道の走行性能

インプレッサG4で雪道を走る

まず、上り坂で あっても安定した発進を行うことが可能です。
アクセルを深く踏みこんでも、軽くホイルスピンを起こすのみでTRC(トラクションコントロール)が助けてくれながら前進します。AWDシステムは、以前 試乗したレヴォーグ1.6GTと同様のアクティブ トルクスプリット式AWDで、レヴォーグで急坂発進を行った際にも容易に発進出来ました。



素晴らしい雪道走行性能

また、雪の積もったカーブを曲がる際も非常に安 定して曲がることが出来ます。
インプレッサG4で雪のカーブを通過する際、非常に安定しています。常識的な速度なら、まったく滑ることなく曲がることが出来るため、ドライの路面を走っ ているようです。かといって日産エルグランドのような「曲がらない4WD」ではないため、運転自体は楽しいです。


ただ、アウディA4クワトロと比較をすると、A4は軽やかなハンドリングで、滑るよう(な感じがする)に進むことで高い速度を維持したまま雪のカーブを進 むことが出来る印象があります。滑るような感じがしても一切恐怖感は無く、雪道の楽しさはA4クワトロの方が上だと思います。

また、インプレッサがカーブで一度滑りはじめると、体勢を整えるまでの時間がA4クワトロと比較をすると若干長く感じられます。(コンマ何秒ですが)




したがって、アウディと比較をすると一歩及ばないように感じられますが、4WD車としては世界でも有数の性能を誇っており、インプレッサはこれだけの雪道 性能を誇る車でありながら、200万円から購入でき、コストパフォーマンス抜群のクルマです。

同じ値段(もう少し安い金額)でトヨタ アクアを購入することを考えれば、圧倒的に楽しく、(雪道でも)安心で、燃費が悪い・・・それがインプレッサで す。




インプレッサG4 2.0i-L その他 気になる点

インプレッサG4を試乗して気になる点をいくつか紹介します。




マルチファンクション ディスプレイ

マルチファンクション ディスプレイとは、インプレッサにおいてダッシュボードの真ん中に小さいモニタが設置されており、車両のさまざまな状況を確認することが出来ます。


マルチファンクション ディスプレイ 安全装置
電装品作動状態の確認

マルチファンクション ディスプレイ アイサイト
アイサイト
個人的にはカッコイイ画面だと思いますが。


マルチファンクション ディスプレイ 予防安全
スバルのホームページによれば予防安全画面らしいです。

画面左は駆動状況の確認
画面右は車の角度を確認する画面のようです。




使いづらいMTモード

インプレッサのシフトレバーは2.0Lグレードになると本革巻きのシフトレバーのブーツが装備され、高級感が増します。


シフトレバー
しかしながら、
最新式のスバル車多くに共通しますが、シフトダウンをする際に、フロアシフトではMTモードに入れることは可能ですが、シフトチェンジは出来ません。シフ トチェンジを行う場合にはパドルシフトまで手を戻す必要があり、少々扱いづらいです。



LEDヘッドライト+ステアリング連 動ヘッドランプはオプション

LEDヘッドライト(ハイビーム対応)+ステアリング連動ヘッドランプ
インプレッサ 1.6i-Lと2.0i-LのLEDヘッドライトはオプション扱いです。

LEDヘッドライトは夜間の視認性向上には重要な装備ですが、それより気になるのは、ステアリング連動ヘッドランプです。

いまスバルのCMでは、積極的にステアリング連動ヘッドランプをアピールしています。しかしながら、このようなヘッドライトの装備は、2003年に発売の ハリアーよりインテリジェントAFSとして装備されており、今さら何を宣伝しているのだ?という印象を受けたことを覚えています。

しかしながら、アイサイトの時と同様、スバルには宣伝する技術があり、もしかすれば、今後は衝突被害軽減ブレーキ同様、高級車でなくてもAFSの装備が増 えてくるかもしれません。今の日本で「ぶつからない車」が普及した要因は間違えなく、スバルのお蔭でしょう。

※AFS:Adaptive Front light System




したがって、スバルの安全性能はアイサイト(衝突被害軽減ブレーキ)に限らず、あらゆる側面から、しかも比較的安価なクルマでも、私たちを守ってくれるの です。





インプレッサG4 2.0i-L 総評とまとめ

インプレッサG4で雪道を走る

新しいインプレッサG4は、安定性の向上で安全性が向上した次世代プラットフォームを採用し、走行が快適になった印象を受けます。今まで通りのスバル車ら しい走行性能でもあります。

しかしながら、私はスバリスト(スバルファン)でも無ければ、自動車メーカーより金銭授受を行い提灯記事を書くような自動車評論家でもないため、今回試乗 したインプレッサG4は、正直に申し上げれば大して感動す るほどのクルマでは無いであるという印象が強いです。

今までは大したことが無いと思ってスバル車を試乗しましたが、レヴォーグと言い、レガシィと言い、WRX S4と言い、総合的にはどれも素晴らしく私は何か負けたような気分でした。しかし、今回のインプレッサは非常によくできた1台ではあるものの、「感動」が 無いのです。

私のように車に対して知識がないような場合、インプレッサG4はごく普通の性能の良い大衆車でしかないのです。


トヨタ プリウスS E-Four

ただし、日本車においてCセグメントに位置する他の車、プレミオ・プリウス・シルフィであることから、ライバルの日本車と比較すれば、もっとも楽しい車の 1台になることは間違えありません。

さらに、200万円前後で購入できる車の中で雪道を最も安全かつ快適に走行できるクルマ、それがスバル インプレッサであることは間違えなさそうです。



インプレッサG4 2.0i-L(AWD) まとめ

・シートが良く長距離の移動は快適。
・足回り性能は悪く無いが、欧州車ほどのガタガタ感が無い。
  ⇒したがって、欧米人ともに喜ばれそうな1台でありそう。
・車内は狭くはないが広いとは言えず、燃費が良いわけでもない。
  ⇒ファミリーで購入の場合、特にセダンの場合には怖い奥様を説得する要素が無い。
・安全性を売りにしているが、実際には他メーカーでも同様の安全装備は多い。
  ⇒スバルの宣伝能力が高いだけのこと・・・。
   だが、今日の日本車の安全装置普及率が高いのはスバルだったりメルセデスの影響だろう。
・正直・・・、自動車評論家が絶賛するほどのクルマであるとは感じられない。

・雪道の性能は優れている。
  ⇒カーブでも滑らない。しっかり曲がる。安定した発進。
・200万円前後で購入できる車の中で雪道性能は最もいいだろう。


普通に乗るには良いクルマです。ただし、普通に走るには贅沢なクルマになりますが、世間の評価があまりにも高く、私はそこまでインプレッサが素晴らしいと は感じられませんでした。








関連項目:
スバル レヴォーグ1.6GTスバル レヴォーグ1.6GT アイサイト
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