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日産スカイライン 200GT-t(V37/ターボ)
日産スカイライン(セダン)は、日産自動車が販売する高級?スポーティセダンです。
Dセグメントに位置し、北米ではインフィニティQ50という車名で販売されており、ライバルはメルセデスならCクラス・BMWなら3シリーズになっていま
すが、V37型は先代以上に高級化が進められた結果、国内のトヨタ マークXのライバルには相応しくない1台となりました。
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V37スカイラインのデザインや走行性能についてご覧になりたい方は、
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カイライン200GT(次世代ターボ)
のページをご覧ください。
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(おさらい)試乗車概要
Nissan SKYLINE 200GT-t(V37)
今回試乗したスカイラインは2013年にフルモデルチェンジが施され、新しいフーガ(マイナーチェンジ後)フーガ同様、インフィニティエンブレムが装着さ
れました。
大昔からのスカイラインファンとしては、今まで以上に納得の出来ない車両になった感が否めず、雲の上の存在感となってしまいました。
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(おさらい)正式グレードと概要
Nissan V37 SKYLINE 200GT-t
排気量
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2,000㏄
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最高出力/トルク |
211ps/35.7kgm |
走行距離 |
約450km
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今回の平均燃費
(大半田舎道)
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12.7km/L
(満タン法)
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車両本体価格 |
約435万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
ドライ |
新しくなったスカイラインは、大きく分けると350GTハイブリッドと200GTターボの2通りに分かれており、いずれのパワートレインも歴代のスカイラ
インとの比較で大きな目玉となっていますが、今回の試乗車は200GT-t(次世代ターボ)です。
この200GT-tの次世代ターボエンジンですが、日産が自社開発したわけでは無く、メルセデスベンツから提供されている274Aエンジン(※)を搭載し
ています。(直列4気筒)
※同様のエンジンはメルセデス・ベンツE250(W212)/C250(W205)などに搭載されています。
スカイラインの伝統がどうこうという意見は多々あると思いますが、性能的には大変優れているメルセデスのエンジンを搭載しているという点では、魅力的な車
両になっているでしょう。
V37スカイライン
NissanConnectナビゲーションシステム
要するに、純正ナビのことを指します。V36スカイラインでは、カーナビ機能はオプションでしたが、V37型スカイラインではカーナビも含めて標準装備に
なりました。
上側のモニタには地図が表示される
上:地図表示用のモニタ
左:マルチファンクション スイッチ※
※地図操作用コントローラ
ドイツ車やレクサスのように、写真左のコントローラを利用しながらナビを操作することが可能。
これにより、運転しながらでも前かがみになる必要が無く、安全性も向上します。
と言いつつ、日本人の為か、従来通り、タッチパネルでも操作が可能です。また、スマートフォンのように地図の拡大縮小も出来ます。
ナビの使い心地
メーカーの純正ナビだけあり、操作性には問題ありません。スクロールもぐずぐずしておらず、ストレスが溜まることもありません。
ただし、メモリーナビになったためか、地図に表示される道路が荒くなったような印象を受けます。(その分車両価格に反映されれば良いのですが・・・)
下側のモニタには、車のあらゆる情報
を表示させられる
ホーム画面
ナビで一番頻繁に使うものがホーム画面に表示され、音楽やエアコンなどの操作をする場合には画面下のスイッチでワンタッチで操作可能です。
目的地設定もこの画面から
タッチパネルのみの対応です。
上側モニタ同様、スマートフォンのように操作を行います。
また、目的地設定もこの画面から行うことが出来るようになったことから、地図を表示したまま目的地設定を行うことが出来るようです。(実際に試さなかった
ので詳細が分かりませんが・・・)
ドライブモードセレクター
ドライブモードも詳細に変更できます。
このくらいまで詳細に変更が出来るとドイツ車を思い出させてくれますが、残念なことに、それぞれ変更をしたとしても、大きな違いを感じることは出来ません
でした。
(なお、今回は大嫌いな日産のECOモード※の走行は試しませんでした。)
※フーガ250GTのページを参照
エアコンの詳細設定も可能
エアコンの設定画面。
日産の車は20年近く前からエアコンの設定がモニタに表示されていましたが(ローレル最終モデル/セドリック・グロリア最終モデル等に乗った際に感動した
記憶があります)、その方式は現代の日産車にも受け継がれているようです。
独立したモニタによるエアコンの操作が出来るのはクラウン(ロイヤルサルーン/アスリート/マジェスタ)を思い出しますが・・・、
ハードスイッチエリアと呼ばれる、頻繁に操作する項目は、モニタ上では無く、別途スイッチを用意することで、より一段と操作性を向上しています。このあた
りは、210系クラウンを参考に開発したものと思われます。
そして、常時利用するスイッチがモニタ外の場所にあることから、クラウン以上に操作がしやすいと感じました。
ブースト計ではなく、燃費計もモニタで表示される
こんなものまでモニタで表示させることが出来ます。
ブースト計のようにしか見えませんが・・・。
ドライブモードセレクターもワンタッチで操作可能
このスイッチを操作すれば容易に操作でき、
なぜか、カーナビの画面にこのような表示が出ます。
先述しておりますが、こちらから走行モードを切り替えし、実際に運転をしてもイマイチ違いを理解することが出来ませんでした。(ATのギアチェンジのタイ
ミングくらい?)
V37スカイライン
200GT-t その他 気になった点
スカイライン200GT-tのそのほか気になった点について紹介します。
衝突被害軽減ブレーキなどの装備は無
し
近ごろの日産と言えば、「技術の日産」ということで、衝突被害軽減ブレーキの宣伝を一生懸命行っており、スカイラインにいたっては、2台先の急ブレーキも
自動で検知するという宣伝も行っています。(全く同じ宣伝がアメリカでも放送されていました)
しかし、2016年3月発売までのモデルにはエマージェンシーブレーキの類は標準で装備されておりませんでした。(今回の試乗車はそれに該当します。)そのため、変なタイミングで突如、警告や急ブレーキが作動することが
無いため、大変快適なドライブが出来ました。
なお、現在新車販売されているスカイラインは全グレードでエマージェンシーブレーキが標準装備されています。
マニュアルモード付き7速AT(7M
-ATx)
ギアのデザインは先代と大きな変化はありません。
しかし、ミッションとしての性能を見ると・・・、
・DSモード(スポーティなシフトチェンジ)の廃止(写真はV36)
⇒V37スカイラインではドライブモードセレクターで変更可能
・シフトダウン時のタイムラグがメルセデスベンツEクラスのように遅い
⇒山道では困るのですが、シフトダウンしても なかなか変速してくれません・・・。
当然、あたかもヒール&トゥをしているような機能も無くなってしまいました。
インテリジェントキー
日産の車のインテリジェントキー(トヨタで言うならスマートキー)は、鍵の開け閉めを行う際には、取っ手に付いているボタン
を押していました。
ところが新しいスカイラインは、トヨタや欧州車同様、ドアノブに触れるだけで開錠されるようになりました。
施錠する際には従来通り、ドアノブに付いているボタンを押すだけです。
まぁ、どうでも良い進化と言えば、どうでも良いと思います・・・。
LEDヘッドライトは標準装備
バイキセノンヘッドライトからLEDヘッドライト(ハイビーム対応)に進化しました。
ただし、今回の試乗車は200GT-tの最低グレードかつ無オプションになるため、アクティブAFSやハイビーム アシストの装備はありません。
広角ミラー(右側)も追加
プレジデントやシーマは知りませんが日産では初めて装備されたのでは ないでしょうか?
これにより、死角が減ることから事故減少へ大きく貢献します。また、現在新車販売されているスカイラインには、BSI(後側方衝突防止支援システム)
/BSW(後側方車両検知警報)の併用により、事故を未然に防げる確率が大幅に向上するものと思われます。
V37スカイライン
200GT-t(次世代ターボ) 総評
個人的な意見を申し上げるなら、性能は先代スカイラインよりも良くなったけれど、日本人(の車ファン)が思うスカイラインとしては魅力が無くなってしまっ
たでしょう。
まず、性能面を述べるなら新車販売されているスカイラインに関しては、安全性も向上しており、ダウンサイジングターボの影響で体感的な速さは変わらないも
のの燃費も大幅に向上しました。デザインもスカイラインと思わなければ悪くありません。
V37スカイラインがダメに感じる点
パワートレインに難あり
〇エンジンがメルセデス・ベンツから調達されたダウンサイジングターボエンジン
〇またはV6-3.5Lのハイブリッドのみ
⇒車を楽しく感じられるV6のガソリンエンジンがありません。
あくまで偏見に過ぎませんが、
伝統あるスカイラインの名にふさわしいパワートレインを搭載しているとは思えず、名のあるスカイラインにメルセデス・ベンツのエンジンを搭載するのは、江
戸時代にペリーが来航するに匹敵する出来事です。
※何度も申し上げますが、メルセデス・ベンツの274Aエンジンは素晴らしいです。
日本ではブランド力の無いインフィニティエンブレム
どうしても、スカイラインと言うよりは、インフィニティQ50になってしまいます。日本で台数を販売する気が無く、経費削減を目的としなければ、スカイラ
インにインフィニティエンブレムを付ける意義を感じることは出来ません。
もし、ブランド力を高めるのではれば、徹底的に高めなければ中途半端になってしまうのでは
ないでしょうか?でも、それが今のスカイラインであり、フーガであります。
V37スカイライン
200GT-t まとめ
・デザインも性能も良い。
・ただし、コーナリング性能はタイヤの性能に騙されている疑惑あり
・日本で乗る限りスカイラインの要素は無く、別の車名ならぜひ購入したい。
・200GT-tにメルセデス・ベンツのエンジンが搭載されることはあり得ない(と言う人がいる)。
・運転をしている分には楽しいであろう。
なお、先日インターネットのニュースでも報じられていましたが、北米において値下がり率がハンパないというニュースがありました。したがって、日本でも同
様の現象が起きる可能性があることから、日産のディーラーで働いている方には申し訳ありませんが、
どうしても欲しい
なら、
中古車の350GT ハイブリッドを購入することをオススメします。
関連項目(その他の試乗記):
日産 V36 スカイライン250GT FOUR
日産
フーガ250GT(後期/インフィニティエンブレム)
北米日産 QUEST
日産 ジューク NISMO
日産 エクストレイル 20X
エマージェンシーブレーキパッケージ
アウディ A4
2.0TFSIクワトロ(B9)
E220ブルーテック(クリーン
ディーゼル)アバンギャルド AMGパッケージ
C220d(BlueTEC) Avantgarde
BMW5シリーズ 523i Mスポーツ
ジャガー XE アドバンテージ エディション
スバル WRX S4
2.0GTアイサイト
スバル インプレッサG4(AWD/GK)
トヨタ マークX 250G FOUR(後期/新型)
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