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レクサスLS460 バージョンC
レクサスLSはレクサスの最高級セダン(Luxury Sedan)で、「誰でも新車で購入できる」という意味ではトヨタの最高級車になります。
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試乗車概要
LEXUS LS460 Version.C
日本においてはセルシオの後継モデルとして販売されているクルマです。F40型のLSは2006年より販売開始され、今回試乗した車両は後期モデルになり
ます。
大半のグレードはショーファーカー向けになっており、後部座席で寛げるような車です。
(当然上級グレードの方が、十分に寛げる装備ですが・・・)
また、スポーティなLSとしてF-SPORTがラインナップにあります。
さらに、5.0L+モーターのハイブリッドであるLS600hもラインナップにあります。その他、ラグジュアリー向けにロングボディも設定されています。
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試乗車概要
正式グレード
LEXUS LS460 Version.C (F40)
排気量
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4,600㏄
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最高出力/トルク
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392ps/51.0kgm
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走行距離
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約500km
(高速・山道・街中)
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今回の平均燃費
(街中の平均燃費)
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測定せず
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車両本体価格
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1,000万円
ほ
ど?
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試乗日の路面状態
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ドライ・ウェッ
ト
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LEXUS LS460のエクステリア
高級感漂うデザインはセルシオ(F30型
LS430)の時より一回り大きくなったような印象があり、現行モデルになりようやく、メルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズに匹敵する印象を持
てるようになったのでは ないでしょうか。
Fスポーツを除いて、グレードによる外観の差異はありません。ハイブリッドとガソリン車で標準装着ホイールが異なったり、LEDヘッドライトがハイブリッ
ドには標準装備されている程度でしょう。
トヨタのトレードマークである「スピンドグリル」はこのクルマでも健在。
フルモデルチェンジに等しいビッグマ
イナーチェンジ
2013年の新型LSデザインが発表されたときに大幅に改良されたことから、当初はフルモデルチェンジされたと勘違いをしてしまうほどです。横から見ると
前期モデルの面影が残っているのでは ないでしょうか。
後ろから見るとレクサスのLのよう
テールランプはレクサスのデザインをイメージしたのでしょうか?
スモールライトはLED・ヘッドライトはバイキセノン
スモールライトはLEDが採用(写真左)
ヘッドライトはHID(バイキセノン)を採用(写真右)
ヘッドライトに関してはバイキセノンになっており、ハイビーム時にはHIDの明るさが確保できるほかハロゲンハイビームも装備されています。また、LS600ハイブリッドにはLEDヘッドライトが標準装備になっており、LS460でもオプションで選択することが可能です。
レクサスLSのデザイン総評
トヨタの高級ブランドと言われているレクサスですが、どうしても迷走感を否めません。
メルセデス・ベンツのフロントグリルやBMWのフロントグリルも、何十年と長い年月をかけてようやく一目見てベンツだ BMWだと分かるようになりまし
た。
一方レクサスの場合は、つい最近「スピンドグリル」というものをつくり、それを高級車の象徴としました。しかも、インターネットで「スピンドグリル」と検
索をすれば「スピンドグリル 終了」などのページが出てくる始末です。
正直、「ブランド力」というものは長年培ってつくっていくものであるのに、頻繁にデザインを変えていくようでは、「日本車=壊れない」というイメージだけ
で購入されているに等しいのでは ないでしょうか。
少なくとも、スピンドグリルを一度決めたのであれば、これをレクサスの伝統にしていく必要があるのでは
ないでしょうか。また、それをトヨタ車と共用すべきでは ないでしょう。
レクサス LS460
Version.C インテリア
LS460のVersion.Cは、下から2番目のグレードです。ベースグレードがファブリックシートを装備しているのに対し、標準で本革シートが装備さ
れています。
3本スポークになったステアリング
前期モデルではオプションだったウッドコンビステアリングも、後期モデルは全グレードで標準装備になっています。さらには、4本スポークステアリングだっ
たのが、後期モデルからは3本スポークステアリングに変更になりました。(BMWをパクったと言われそう・・・)
快適装備の一つとしてステアリングヒーターも装備されています。
(ただ、ウッドの部分は冷たい・・・)
あと、シートベルトの高さを調整する機能も、LSでは電動になっています。
コンフォートシート
座り心地は良く、腰痛持ちでも腰痛を悪化させること無く運転することが可能です。
また、運転席にはクッション長調整機能が装備されておr、足が長い人でもクッション長を延ばすことで、体にフィットしたシートポジションでドライビングが
可能になります。
シートヒーターやベンチレーション機能付きで、気温などに応じて自動で調整してくれる機能もあります。
Version.Cは必要最低限に快
適な後部座席
全長5mを超えるクルマであるため、後部座席も広く出来ています。
実際に着席しても快適ですが、ロングボディでなければ、足が長い人は足を延ばすことは出来ません。普通に快適に座れる程度です。
また、泥酔した状態で多少乱暴な運転をされた場合には、サスペンショ
ンが柔らかいためか少しだけ酔ってしまいます。
また、Ver.Cでは「レザーシートこと装備されているだけ」であるため、ひじ掛けにスイッチの類は一切ありませんし、助手席のヘッドレストが倒れるよう
な機能も装備されていません。
レクサスLS460 Ver.C
走行性能
まず、大前提はレクサスLSは議員や重役が乗る向けに販売されている車です。そのため、本来は「走行性能」を批評するべきでは ありません。
ですが残念ながら、私はあくまでドライバーですので快適性よりも走行性能で評価させていただきます。
一般道の快適性能
一流企業の役員や税金を使った国会議員は東京都内の街中を走行をすると思います。
言うまでもありませんが、快適性に優れている車の一つであり、4.6Lの排気量は心にゆとりを持って運転することが出来ます。
ですが、最大の素晴らしい点は、強力なブレーキ性能にあると思います。
東京都内では〇〇ッタレ法人タクシーが飛び出して来ることがあり、緊急ブレーキシグナル※にお世話になることすら多々あります。しかし、LSのブレーキは
そのような緊急事態に陥っても、ものすごく強力なブレーキが作動するため、安全性の向上に大いに役立ちます。
※緊急ブレーキシグナルとは、緊急ブレーキと車に搭載のコンピュータが判断した時に、後方車両に自動的に伝えられるよう、ブ
レーキランプが点滅します。また、ブレーキ中や停止時にハザードランプも自動的に点滅します。
ちなみに、ブレーキの性能はすこぶる良いのですが、長距離を走ったり雨の日の走行の場合、激しくブレーキダストがついてしまいます・・・。
なお、燃費がすこぶる悪く、経費で落ちないような人の足には向きません・・・。
峠道の走行性能 TEMSの進化形
AVS
足回りが柔らかすぎて話になりません。
と言いたいところですが、SPORTS+モードで走行すれば、思ったほど悪くないのが正直な印象です。ボディが重たいクルマだなぁ~と思いながら山道走行
を楽しめる車である一方、下り坂において本気を出した軽自動車に追いつけない程度です・・・。(荷物が飛んでいきます・・・)
これだけの性能が得られるのも、AVS(かつてはTEMSが装備)+エアサスペンションのおかげです。新幹線などに装備されているアクティブサスペンショ
ンと原理は同じで、走行状況に応じてショックアブソーバーの減衰特性を制御し、不快な揺れを軽減します。
高速道路の走行性能
レクサスはBMWを意識している疑惑があるくらい似ています。それは、高速道路の走行性能においても同じです。
メーターは偉そうに280km/hまでついていますが、リミッター自体は180km/hで作動します。キックダウンするほどアクセルを踏めば、気付けばリ
ミッターに届くほどの加速性能を持っています。安定性も抜群で、これならドイツ アウトバーンでも通用します。
なお、追い越し車線を走行していると、決して前方の車を煽っているわけではありませんが、なぜか追い越し車線を譲ってくれます・・・。(本来レクサスのよ
うな車でなくても そうしてほしいものです・・)
レクサスLS460
Version.C その他 気になった点
カーナビは・・・
前期モデルではタッチパネルが採用されており、クラウンなどと同様使いやすいものだった・・・らしいです。
後期になると、このようになってしまい、実際に使った人に聞いてみると「使いやすい」という意見を聞いたことのないナビで
す。
優秀なカーナビ
道路状況に応じて事故多発地点を教えてくれたりするほか、渋滞が発生していると自動的に迂回ルートを検索してくれたりします。
また、LSに限りませんがボタン一つで接続可能なレクサスオーナーズデスクのオペレータに依頼をすれば、ナビの目的地設定を行ってくれたり、ホテルのコン
シェルジュのような さまざまなサービスを行ってくれます。
オーディオは素晴らしい
レクサスのオーディオには、オプションでマークレビンソンをオプションで装着することが可能。(LSのロングボディなどは標準装備)
とはいえ、今回はそのような装備はありません。ですが、標準装着されているレクサス プレミアム
サウンドシステムであっても上等な音質であり、わざわざオプションでマークレビンソンに変更する必要は ないのではないかと思います。
広めのトランクルーム
おそらくセダン車でもっともトランクルームの広い主要なメーカーの車だと、メルセデス・ベンツになると思います。あの車だけはなぜか、ゴルフバッグ4つ入
ります。LS460も十分に広く、トランクルームにゴルフバッグ4つは厳しいかもしれませんが、十分な広さを確保されています。
なお、ハイブリッドを選択した場合、トランクルームが大幅に狭くなるため、ゴルフバッグの入る個数が大幅に減ります。そのため、役員車でもLS460
「L」がよく売れているとか。
レクサスLS460
Version.C 総評
考
え方は人それぞれですが、1000万円支払っても何も豪華な装備を感じることが出来ません。650万円支払えばアルファード・ヴェルファイアの最上級グ
レードであるエグゼクティブラウンジが購入出来、700万円の支払いでマジェスタが購入出来ます。いずれもフルオプション装備に匹敵し、かなり豪華な内装
が特徴です。
一方のLS460のVer.Cは必要最低限のみの装備しかなっておらず、悪くはありませんが、豪華な演出をしているに過ぎません。
とはいえ、走行性能や快適性だけで見れば素晴らしいクルマです。ただ、「ありきたり」すぎて、特徴がありません。したがって、次期LSには
そのようなインテリアの特徴を持ってデビューすることを期待したいと思います。
エクステリアのデザインに関しては賛否両論あると思いますが、私は基本的には賛成です。ただ、先述している通り、1度決めたのであるなら、スピンドグリル
は貫き通してほしいと考えています。
快適性に関しては申し分は無く、もし乗れるなら次はF-SPORTに試乗してみたいと思います。また、後日LS600hLの試乗記をお伝えしたいと思って
いる次第です。
関連項目:
レクサス LS500h バージョンL(50系)
レクサス LX570(後期)
レクサス LC500 Lパッケージ(V8-5.0L)
トヨタ クラウン マジェスタ Fバージョン
メルセデス・ベンツS550L
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