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ランドローバー ディスカバリー スポーツHSE
Si4(ガソリン車)/5人乗り
ランドローバーが販売するSUVの中で最初の1台、それがランドローバー
ディスカバリースポーツです。最小と言いつつも、横幅は余裕で2mを超えており、SUVに不慣れな方は都心部での運転は困難さを感じるかもしれません。
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試乗車概要
LANDROVER Discovery Sport HSE
ランドローバー
ディスカバリースポーツはフリーランダー(TBS系列で放送されていた東京フレンドパークでパジェロの代わりの車として有名かも)の後継車です。
ランドローバーが販売している中では最も小さく、ランドローバーの入門編には相応しい1台でしょう。
レンジローバー イヴォークの兄弟車になります。
正式グレードと概要
LANDROVER Discovery Sport HSE
排気量
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2,000㏄
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最高出力/トルク |
240ps/34.0kgm |
走行距離 |
200km
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今回の平均燃費
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8.3km/L
(メーター)
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車両本体価格 |
630万
円 |
試乗日の路面状態 |
スノー
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ランドローバー
ディスカバリースポーツ HSEは比較的上級グレードに位置し、19インチのアルミホイールや本革シートが印象的なグレードです。
今回の試乗車は5人乗り/直列4気筒-2.0Lガソリンエンジンを搭載する1台になります。
ランドローバー
ディスカバリースポーツ(外観)
まずは、ランドローバー ディスカバリースポーツのエクステリアデザインを紹介します。雪でも映える1台でしょうか。
ランドローバー
ディスカバリースポーツ フロントデザイン
ランドローバー ディスカバリースポーツ フロント
LEDシグネチャーライト(LEDスモールライト)が印象的である一方、この時代でありながら採用されているライトがHID(キセノン)となっています。
(個人的に特に冬場においてHIDは好きなライトではありますが・・・)
それは さておき、小さいボディであっても、(車好きなら)一目でランドローバーと分かるフロントデザインには好感が持てます。
ランドローバー
ディスカバリースポーツ 横から
全長が4.6mであるため、アウディQ5やBMW X3、メルセデスベンツGLCクラスと比較すると、おおよそ50cmほど短い全長になります。
にも関わらず、3列シート車(7人乗り)を設定しており、3列目がどれだけ狭いのか気になったりもします。(今回の試乗車は5人乗りになります。)
ランドローバー
ディスカバリースポーツ リアデザイン
ランドローバー ディスカバリースポーツ リアデザイン
近頃の丸まった「なんちゃってSUV」を彷彿させないデザインです。
なお、本格的SUVであることは改めて紹介させて頂くことにします。
ランドローバー
ディスカバリースポーツ HSE(内装)
続いては、ランドローバー
ディスカバリースポーツHSEのインテリアの紹介です。ランドローバーのアクセルペダルは、吊り下げ式を採用しているようです。(運転には特に不便は感じ
ませんでした。)
ランドローバー
ディスカバリースポーツHSEは本革シートを採用
硬すぎず、柔らかすぎずのシートであるため、極上と言うほどでは無いものの、かなり快適なシートである印象です。
もちろん、電動シートやシートヒーターは装備されており、冬も含めて快適に過ごすことが可能。
カーナビは新式のものを採用
ディスカバリースポーツで採用される純正ナビ
以前、試乗したジャガーXEのナビは2015年式でありながらCDナビを採用しており、性能が非常に悪いとお伝えしました。その当時に販売されていたレン
ジローバー イヴォークも同様で、しかも途中でフリーズをすると言う情けないスペックのものでした。
しかし、現在日本で新車販売しているランドローバー
ディスカバリースポーツは、スペックの高いナビを採用しており、比較的サクサク動きます。(フリーズはすると言うウワサですが・・・)
また、欧州車では珍しいタッチパネルのナビが採用されており、日本人でも比較的扱いやすいのでは
ないでしょうか。(走行中に操作するのが難しいのですが・・・。)
スピーカーはメリディアンのものを採
用
ジャガーランドローバーにはメリディアンのスピーカーが採用されています。
好き嫌いは別として、音質の良さは説明する必要は無いでしょうね。
ただし、HSE Luxuryという1つ上のグレードになるとメリディアン サラウンドシステムが採用されており、より一層音質が向上するそうです。
シフトは伝統の・・・
エンジンを始動すると、うにょ~って出てくるやつです。
正直使いづらいので あまり好きではありません。
ディスカバリースポーツ
雪道走行性能 試乗記
雪の降る北海道のスキー場に一晩止めておけば、こんな状態になってしまいます。
さて、本来ランドローバーと言えば、砂利道や岩場などのオフロードの走行に特化した1台であると言われ、足回り性能・4WD性能に関していえば世界で最も
優れた1台とも言われます。
しかし、日本国内において砂利道や岩場を走ることは少なく、しかも修理代を考えると500万円を超える高級車で悪路を走る度胸はありません。もっと言うな
ら、日本に住む賢い人であれば、悪路を走る究極の1台としてジムニーを選択する人は多いでしょう。
そこで・・・と言うわけではありませんが、得意の雪道走行でランドローバーの4WDの素晴らしい性能を紹介したいと思います。
雪道を試乗する前にフロントパネルの
確認
走行モードの切替(パネルの下の方)で雪道・砂利道モードに
ヒーテッド フロントスクリーン(CD差込口の下付近)でフロントガラスの融雪
こんな装備がある通り、雪に対しての快適性能もかなり充実していいます。冒頭の写真のように
なった場合には、フロントガラスが凍結していますので雪掻き後もしばらく、前方が見えません。ヒーテッド
フロントスクリーンが装備されていると、比較的早く付着した氷が解けます。
街中の雪道(乾燥し過ぎてグリップが
一切聞かない雪質)
新千歳空港発着の飛行機が運休する程の大雪が降った翌日のため、千歳市内にも雪があります。
この雪の特徴は、水分が極端に少なく、正しい雪道の歩き方を行っても確実に転びそうになります。車の場合、札幌市内では
よくタクシー(FR)が走行不能に陥ります。
もっとも、平な路面であるため、このような雪道の場合、ほとんどの4WD車は問題無く走行することが可能です。スバルのように優秀なAWDになると、猛ス
ピードで走行したとしても、ハンドルを上手にコントロールすれば問題無く走行することが可能です。
で、今回の試乗車であるランドローバー
ディスカバリースポーツですが、乾いた路面を走っているような感覚で走行することが可能でした。(ブレーキの性能は確かめませんでした。)
山道かつ雪道の走行性能
山道かつ雪道を走行しました。
(地元の人も恐れるR393赤井川国道です・・・。)
ビックリするくらい、普通に走れます。雪道を走っている感覚は一切無く、カーブを曲がる時も普通にスピードを落とせばコントロールを失うこと無く走行可能
です。今回の走行で逆ハンドル(または それに近い状態)で走行することは ほぼありませんでした。
アイスバーンにおける性能は素晴らし
い
アイスバーン(気温-6℃)
アイスバーンの走行は恐怖です。
・ハンドルを切っても曲がらない。またはスピンする。
・ブレーキを踏んでも止まれない。酷い場合、コントロールを失う。
・上り坂だとアクセルを踏んでも滑って進まない。酷い場合、コントロールを失う。
などなど。
そんな、恐怖のすべてを体感できる道路が北海道にはあります。それが、国道393号線
毛無山峠にある連続ヘアピンです。主にキロロリゾートやニセコに行く道として使われており、雪道ともなれば急坂・急カーブは日中でも悪魔と化しま
す・・・。
さて、そんな悪魔が現れる雪道の道路をランドローバー ディスカバリースポーツで走行しました。アイスバーンであっても恐怖を感じることは一切ありません。
ランドローバー
ディスカバリースポーツ 雪道 上り坂
アイスバーンの上り坂の場合、優秀な4WDシステムを搭載していても、空転を起こしトラクション
コントロール(および横滑り防止装置)が作動することは ほぼ当たり前です。
今回、雪道試乗をしたランドローバー
ディスカバリースポーツですが、アイスバーンであっても上り坂は余裕で登ってくれます。無理やりアクセルを踏み込まない限り、トラクション
コントロールが作動することは ありませんでした。
もちろん、無理をしなければカーブにおいて横滑りは無縁でした。
ランドローバー
ディスカバリースポーツ 雪道 下り坂
今回の雪道試乗で一番素晴らしいと感じられた点が、下り坂におけるアイスバーン走行の時です。
普通に運転をしていてもアイスバーンだと気づきませんでした。ちょっ
とした時に、ブレーキを少し踏んだら、若干左右に車が振れたため、強いブレーキで確認をしたら全く止まる気配の無いアイスバーンでした・・・。
素晴らしい点として、アイスバーンの路面で高い速度域で下り坂のカーブを曲がったとしても、雪道を走っている感覚は一切ありません。ランドローバーの
4WD制御だけで普通に曲がることが出来てしまい、別の意味で雪道走行が危険な1台になりそうな くらいです。
路面状況が当時と違っていたため一概に申し上げることは出来ませんが、アウディA4
クワトロと比較をしても遜色ないか、それ以上に安定感を持つ性能では ないかと感じるほどです。
少なくとも筆者の印象として今まで雪道試乗を行った車両の中で、最も安心して走ることの出来た1台であるのでは ないでしょうか。
ランドローバー
ディスカバリースポーツに弱点は無いのか?
ランドローバー ディスカバリースポーツの雪道走行性能は、思わず感動してしまう ほど安定しており素晴らしいものです。そのため、ランドローバー
ディスカバリースポーツは雪道走行性能において、世界一の性能を持っているのか?を考えてみました。
残念ながらランドローバー ディスカバリースポーツにも弱点はあります。
それは、
高速道路における性能です。
・高速道路の場合・
いかんせん、高速域における安定感には優れていません。以前、ノーマルタイヤを装着したランドローバー
ディスカバリーを試乗した際にも感じましたが、SUVという特性上、高速道路走行時における安定性は あまり優れていません。
なお、あくまでも比較対象はジャガーのセダンや、メルセデスベンツGLCクラスなどの高速道路においても走行性能が優れた1台を指しており、アルファード
や軽自動車と比較をすれば、それ以上の性能があるのは間違えありません。
・高速道路における雪道の場合・
高速道路の場合、頻繁に除雪作業が行われるほか、融雪剤も頻繁に撒かれるため、雪が降った後は、シャーベット状の雪道で轍になっていることがあります。路
面がシャーベットの状態で車線変更をすると、高速なほど、車のバランスを失いやすいです。
ランドローバーは雪道に強い車両でありながら、シャーベッドの轍で車線変更をしようとする場合、しっかりハンドルを握らないと、バランスを失いやすい傾向
にあります。(決してスピンをするとか、車線変更出来ないということは ありません。)
「安心して車線変更ができない」が正解でしょう。
ランドローバーディスカバリースポーツ
試乗記 総評
高級車でありながら、今どきメーターはアナログで日本語表記がカタカナのみ、ライトもLEDでは無くHID(雪国では
ありがたいのですが)など、最先端の車と言う印象を持つことが出来ません。
しかしながら、いざ雪道に出て走れば、世界でも指折りの技術を持つ電子デバイス(4WDシステム含む)を持っていると体感できます。アイスバーンの坂道に
おいて、恐怖を感じることなく運転出来るランドローバーは、最強の4WDシステムを持つ1台と言えるでしょう。
ランドローバー ディスカバリースポーツはランドローバーの入門編に位置する車です。メルセデスベンツCクラスやBMW
3シリーズと同じ金額で購入することが出来ます。SUVなので、売却時の価値も高くなります。
雪国にお住まいだったり、冬に頻繁にスキー場に行かれるような場合、もしSUVが好きであれば検討する1台であると言えます。
逆に雪道や悪路に行くこと無くオンロード中心に走行する場合、モノコックボディを持つランドローバーは不向きと言えるでしょう。
関連項目:
第2世代 アウディQ5
2.0TFSIクワトロ
メルセデスAMG E43 4MATIC
マツダ CX-5 XD プロアクティブ
ハリアー ハイブリッド プレミアム "アドバンスドパッケージ"
アウディ SQ5(3.0/クアトロ)
アウディ Q7 2.0TFSIクワトロ
マツダ CX-3 XD プロアクティブ
トヨタ C-HR G ハイブリッド
ポルシェ マカンS
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