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BMW 5シリーズ 523i Mスポーツ(F10/後期)

BMW5シリーズは、BMWが販売するEセグメントの車で、セダン・ツーリングワゴン・グランツーリスモがラインナップにあります。

このページは2ページ目 機能性・走行性能や車両本体価格等ついて考察しています。
前ページ:BMW 523i Mスポーツ 試乗記1 インテリアや外観

(おさらい)試乗車概要

BMW 5Series 523i M Sport
BMW5シリーズ 523i Mスポーツ

以前は”Mスポーツパッケージ”という名称で販売されていましたが、近ごろのBMWのMスポーツは、グレードの1つとして販売されています。

ライバル車はメルセデスベンツEクラス・アウディA6・レクサスGS(トヨタ クラウン)・インフィニティMまたはQ70(日産フーガ)あたりです。


正式グレードと概要

BMW 5Series 523i M Sport

排気量
2,000㏄
最高出力/トルク 192ps/28.6kgm
走行距離 102km
今回の平均燃費
-km/L
車両本体価格 約700万円ほ ど
試乗日の路面状態 ドライ

今回の試乗車はF10つまりセダン車になります。

また後期モデルに該 当しますが、今回の試乗車には後期モデルらしい装備が特にありませんでした。強いていうなら、前期の途中で改良された直列4気筒エンジンでしょうか。


日本における523iは5シリーズの中では、最低グレードに位置しております。523iには単価を上げるためか、ベースグレードの設定も無く、Mスポーツ またはラグジュアリー(Luxury)の2グレードで構成されていますが、大きく金額は変わりません。

まもなくフルモデルチェンジも予定されていることから、早急にF10の試乗記の作成を行いたいと思います。


(おさらい ここまで)



BMW 5シリーズ  523i Mスポーツ 走行性能

今回はダウンサイジングされた直列4気筒2.0Lターボエンジンを搭載した車両の試乗でることから、あえて街中試乗を中心に行いました。

5シリーズ Mスポーツの基本的な快適性

BMW5シリーズ
何となくこの写真を使ってみました。

東京都心を走行する分には快適なばかりで何も問題はありません。

車体が大きいので車庫入れや狭い裏道を走行する際に苦労しそうですが、3シリーズよりもハンドルの切れ角が大きいため、大袈裟な表現をするなら、小さいクルマを運転するような感覚で街中走行をすることが可能です。

さらに、523iに搭載されている直列4気筒-2.0Lエンジンはディーゼルには及ばないものの街中での走行性能は十分です。加速性能に優れており、またよく止まる車でもあるため、日本に一番向いている輸入車の1台かもしれません。


あと、乗り心地もMスポーツでありながら良いです。



 Mスポーツだとコーナリング性能が良い

SPORTモード
ダイナミックドライビングコントロール現在販売されているBMW全車種にダイナミックドライビング コントロールが装備されているかと思います。(Mは別物があるような気がします)

写真左についているボタンを押すと、コンフォートモードやスポーツモードなどで走行出来ます。

スポーツモードに設定した場合、ハンドリングやエンジンの回転の上がり方などがスポーティになりますが、スポーツモードでのハンドリングが、これだけのボディでありながら、なかなか悪くないのです。






523i Mスポーツ 高速性能

まず、安定感は優れています。

前期モデルで当時のMスポーツパッケージではなく、コンフォートパッケージが装備された528i(直列6気筒3.0Lターボ無し)で最高250km/hで高速道路を疾走しましたが、安定感に優れており、恐怖感は一切なく、さすがドイツ車であるという印象です。


さすがに今回の試乗車である523iで試すことは出来ませんでしたし、そもそも250km/h出せるほどの性能があるとは思えませんが、一つ言えること は、高速域においては加速性能が著しく低下するため、まずやらないであろう「左から追い越し」することには苦労しそうです。

でも、Mスポーツであっても、首都高のつなぎ目で跳ねることもなく、つなぎ目走行ではトヨタ クラウンより快適であったのでは ないでしょうか?



523i Mスポーツ 走行性能まとめ

基本的には良いクルマです。ただし、長距離移動が多くて高速道路をかっ飛ばすような方にはパワー不足であるため、528iあたりの方が良いかもしれません。(523dも街中走行では加速性能に大きく貢献しますが、高速域での瞬発力はやはり弱いです)

ドイツのアウトバーンのように、運転マナーが良く、追い越し車線と走行車線が明確に区別されている道路であれば、523でも十分ですが、日本のようにプリウスが追い越しもせず永遠と追い越し車線を走行しているような環境において、一部の方には不向きな車だと思います。

とはいえ、追い越し車線を走行して前方の車に追いつくと、なぜか左に避けてくれる魅力がある。それがBMWの威厳でしょう。(メルセデスベンツには及びませんが・・・)




BMW 5シリーズ  523i Mスポーツ 問題点は?

どちらかと言えば、好印象のBMW5シリーズですが、はたして問題点は無いのでしょうか。
いや、そうでもないですよ!

狭いトランクルーム

5シリーズ トランクルーム
トランクルーム

スペアタイヤも装備していないのに(M以外はランフラットタイヤが装備)、あまり広くありません。その代わり、バッテリーはトランクに装備されていたと思います。

積み方や積み荷次第では、トヨタのハイブリッドよりも収納力が低いと一瞬感じてしまうくらいです。大きいゴルフバッグだと3つ入れるのが精一杯だと思われます。




古い立体駐車場に入らない


以前よりも全幅が増したため(E60/1,845mm⇒F10/1,860mm)、たがだか15mmですが、タイヤのところ(トレッド)も最大45mm大 きくなったため(グレードにより異なる)、従来ギリギリ入庫することが出来たタワーパーキングに入庫することが出来なくなりました。

もちろん、六本木ヒルズにあるような最新型の立体駐車場であれば問題なく入庫することが出来ます。しかし、80年代から稼働しているような立体駐車場では、当時のメルセデスSクラスや7シリーズが入庫出来る大きなパレットでないと入庫が困難です。

そのため、従来の5シリーズのオーナーが3シリーズに乗り換えたりすることも あるそうです。



分かりやすく表現するなら、
田舎や地方都市のデパートのお買い物には使えないであろう車になった
ということです。



高い車両本体価格


すでに試乗車概要で紹介しておりますが、今回の523i Mスポーツという、5シリーズの中では最低グレードに位置する車であるにも関わらず685万円の金額が掛かります。

700万円ですと、
・A6 2.0TFSI Quattro(BMWだと528iに相当)
・アルファード/ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ(3.5Lもハイブリッドも)
・クラウン マジェスタ Fバージョン(V6-3.5Lハイブリッドの上級グレード)

なども購入候補になります。



つまり考え方は人それぞれですが、700万円の価格となると他にも良い選択肢があり、この523iが欲しいかと聞かれれば、答えはYesとは言いづらいところです。

なぜなら、2世代前の530i(後期)ですら600万円強で購入出来ました。
1つ前のE60なら525iですが650万円で購入出来ます。

テクノロジーは進化しましたが、ここまで車両本体価格が高くなってしまうと、購入意欲が失せてしまうのは間違えありません。



「ただブランドに金を掛ける」とか、「安全性に金を掛ける」とかの理論になってしまい、これだけ良いクルマでありながら車両本体価格の上昇が非情に悔やまれる点でもあります。




BMW 523i Mスポーツ 700万円の価値があるか検証

なぜ、ここまで車両本体価格が高くなってしまったのか?F10の5シリーズにはどのような装備があるのかを確認してみましょう。

電気式パーキングブレーキ&AT および iDrive(純正ナビ)

アルミ
スポーティなアルミデザインにはウットリしますが。

まず、パーキングブレーキがハンドブレーキから電気式に進化しました。
iDriveは先代モデルから存在していますが、当然最新のものが装備されています。

あとは、先ほど紹介したダイナミックドライビング コントロールもついています。



つまりそれだけ性能が良くなったということでしょう。



衝突回避・被害軽減ブレーキ(ACC付き)

衝突被害軽減ブレーキ
ステアリング左側のボタンでクルーズコントロール(前車追従機能付)が可能
ステアリングスイッチ
私が初めてACC装備車(アクティブ クルーズコントロール)を運転したのが、BMW5シリーズで、2010年でF10が出たばかりの時でした。

当時は、アイサイト何ぞと言うものは流行っていませんでしたし、噂に聞く程度でしたが、いざ使ってみると前方の車にしっかり追従してくれ、感動したことを覚えています。

当時も左側のステアリングスイッチを操作すればACCが作動するというものでした。


あれから月日は流れ・・・、
ここから本題です。


前期モデルではオプションだった「衝突回避・被害軽減ブレーキ」ですが、後期モデルになってからは、標準装備になったようです。6年前と比較をすると衝突被害軽減ブレーキが世界中で認知されたことも標準装備になった要因の1つでしょう。



まぁ、これが原因で車両本体価格が高くなってしまうのは少々納得もします・・・。




HIDヘッドライト(AFS/コーナリングライト付き)

キセノンヘッドライト
たしかバイキセノンだったと思います。
ただし、方向指示器灯は電球・・・。


今どきLEDの時代なのにと思っている方へ:
それもそのはずです。後期モデルからは523iと523dはオプションで装備できるようになったのです。つまり、528i以上には標準で装備されているのです。

個人的にLEDは暗い感じがするので あまり好きではありませんが、売却の時のことを考えたらLEDの方が価値が残りやすいでしょう。



スポーツ表示機能(出力とトルク)

スポーツ表示
アナログ風に出力計が装備されているようです。

昔のブースト計を思い出させるようで、スポーティ感がありますが、正直必要な装備ではないですね・・・。



結論 700万円の価値があるのか?

※あくまで個人の感想です。

523iの排気量も2,000㏄になりましたが、ハンドリングや加速感も燃費性能(数値)を重視し過ぎた日本車では味わえないものですので、日本車(クラウンやフーガあたりが該当しそう)の性能が どうしても許せない方であれば、700万円の価値があるでしょう。


しかし残念ながら私はこの523iを購入することはありません。財布の事情ではありません。大して低燃費効果が得られないのにも関わらず、あえて楽しみは少なくなったエンジンの車を購入する意義が感じられないのです。(街中走行ではベンツE250の方が速い感じするし)


もし、私の懐事情が許してくれるであれば、間違えなく900万円以上だしてBMW535iを購入するでしょう。もし、予算が700万円しか無いのなら、 M240i xDriveまたは320d M-Sport(ボディが軽くディーゼルエンジンであれば走りが楽しい)を購入すると思います。





BMW 5シリーズ 523i Mスポーツ 総評

BMW 523i M Sport

あまり良いことを書いていないと思いますが、実際に走るには良いクルマです。ただ、700万円ではなく600万円強で購入できるなら、魅力度が一気に向上する気がします。

それはさておき、先代と比較をしてもボディは一回り大きくり、エンジンが一回り小さくなった5シリーズですが、横幅が大きくなったことで、狭い道を運転す る際には慣れるまで違和感を感じるものの、ハンドルのキレが良いため、狭い道や狭い駐車場で苦労することは ありません。


そういった意味では良いクルマですが、やはりパワー不足でして、いろいろな車に乗ったことのある私としては、セカンドカーであれば十分な車です。(贅沢すぎますね。)もし、私がどうしても523iを購入するのであれば、中古で購入するでしょう。



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あと、この車を東京都心で102kmほど走行しました。エンジンをダウンサイジングされており、さぞかし燃費が良いと思われるでしょう。

6.5km/Lでした!!!
(実測値・・・)
ただし、たしょうアイドリングはしましたし、アイドリングストップは一切利用しませんでした。





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