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アウディ Q7 2.0TFSI クワトロ (4M)
7シーターパッケージ(7人乗り)
アウディQ7はアウディの最高級SUVです。兄弟車はカイエンの他、同じフォルクスワーゲングループ内のベントレー ベンテイガ・ランボルギーニ
ウルスなどです。MLBプラットフォームというものが採用されています。
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試乗車概要
AUDI Q7 2.0TFSI Quattro(4M)
現在の4M Q7は2代目で2015年にフルモデルチェンジされm2016年より日本国内でも販売開始されました。
初代も日本では販売されていたものの、2012年に販売中止となったため、4年ぶりに日本でも正規で購入できるようになりました。
日本ではガソリン車のみ販売されていますが、将来的にはディーゼルや電気自動車が販売されることにも期待したいところです。
正式グレード
Audi Q7 2.0TFSI Quattro (4M)
排気量
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2,000㏄
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最高出力/トルク |
252ps/37.0kgm |
走行距離 |
約350km
(高速・峠・街中) |
今回の平均燃費
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9.8km/L
(メーター読み)
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車両本体価格 |
約900万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
ドライ
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車両重量
2,040kg、全長5,070mm/全幅1,970mm/全高1,735mmというヘビーボディに対し、排気量が2.0Lターボというのが今回の試乗の最大の目玉で
しょう。初代ではV8ガソリンエンジンやV12ディーゼルがラインナップに存在していたことを考えると、時代の流れを感じさせられます。
現在のQ7の日本仕様車は、
・3.0 TFSIクワトロ(V6-3.0Lスーパーチャージャー)
・2.0 TFSIクワトロ(直4-2.0Lターボチャージャー)
のいずれもガソリンの2通りとなっています。
重量はともかく、車高以外サイズがほぼ同じであるレクサスLXにV8-5.7Lエンジンが搭載されていることを考えると、Q7
2.0TFSIクワトロでは少々物足りなさを感じます。
アウディ Q7 2.0TFSI
クアトロ エクステリア
まずは、新しくなったアウディの外観を紹介します。
今風のアウディのデザイン
アウディQ7 フロントから
最近のアウディらしく、四角いライトがフロントマスクのデザインを たくましくさせているように思えます。
ただ、上記の写真だとオールロードクワトロにも見えないこともないので、
河津桜の下で撮影した写真も一緒に掲載しておきます。
どうでも良いですが春ですね!
アウディQ7 横から撮影
Q7を横から撮影
ポルシェ
カイエンやレクサスLXなどに見慣れてしまうと、たとえアウディ最大のSUVであってもあまり大きさを感じることはありません。(と言っても全長5mは超
えているのですが・・・)
ちなみに、今回の試乗車に装着しているアルミホイールは標準装着の18インチです。ただ、このデザインを見る限り、決してカッコ良いとは言えず、悪路や雪
道を走破する目的でもなければ、オプションで20インチや21インチを選択した方が良いように思えます。
アウディQ7 リアから撮影
リアから撮影
あまり車高が高くないためか、リアから眺めると余計に大きな車に見えなくなります。
ちなみに、このQ7もシーケンシャル ウインカー装備車で、リア側のみ流れるウインカーとなっています。(フロントは普通のLEDウインカー)
アウディ Q7 2.0TFSI
クアトロ インテリア
続いてはアウディQ7の内装を紹介します。特別なオプションは7シーターパッケージ以外装備していないので、ベーシックなインテリアとなっています。
近未来を感じさせるインテリア
アルミ調?パネル
フルオートエアコンにスイッチ
Q7のシフトレバー
まず申し上げたいことは、基本的なデザインコンセプトが新型A4(B9等)と全く同じなのです。以前A4のページで申し上げたのは、「近未来の宇宙戦艦を
連想させてくれそうなインテリア」と表現しましたが、まさにこのQ7でもピッタリであるのです。
裏を返すとQ7は2017年2月現在、アウディ最高級SUVでありながら、内装はA4と同じであるという点を考えると、本当にやる気があるのか?と疑いた
くもなってしまいます。車両本体価格から考えてウッドパネルなどは標準装備にしてほしいと感じられました。
ドイツ車らしい本革シート
アウディQ7は本革シートが標準装備
ドイツ車らしいというのは、シートが硬めになっています。そのため、ホールド性が増し、長時間の移動も快適なシートだと思います。
そして、Q7は高級SUVらしく、オプションで68万円追加をすれば、コンフォートシートパッケージを装備することが可能で、A8のコンフォートシートと
同等の座り心地を実現出来ます。その他、S-lineパッケージ(TOTAL82万円)の場合にはスポーツシートが装備されます。
後部座席が妙に広い
Q7 後部座席(リクライニング付き)
なぜかは分かりませんが、後部座席が広いです。まぁ、5m越えの車だから当然と言われれば当然かもしれません。これであれば、4人でも快適なドライブは可
能ですし、5人で乗っても あまり窮屈さは感じなさそうです。
リアシート(2列目)は快適かも
一応サンシェードも装備されています。
もっとも、リアガラスは薄くてもスモークを貼った方が見栄えが良くなる気がします。日本車だと標準装備ですが、ドイツのワゴン車だと、スモークを貼ってい
ない車は多いですね。
後部座席でも独立してエアコンの調整が可能です。
7シーターパッケージ 3列目は絶望
的な狭さ
アウディQ7 7シーターパッケージ装備車 3列目
写真では分かりづらいですが、絶望的に狭い3列目となっています。私も実際に3列目に着席を試みましたが、どう車内に入れば良いのかが分からず、乗ってみ
ることが出来ませんでしたし、うまく撮影することも出来ませんでした。
2列目シートは前後にスライドさせることは可能ですが、目いっぱい前にしても3列目は狭く、常に6人以上乗る環境の場合には、オプション35万円支払って
までオススメすることが出来ません。ミニバン系の別の車種をオススメします。
チャイルドシートもISOFIXで固定できるようにされていますが、赤ちゃんの面倒を誰が見るのか?ということに
なりそうなくらい狭いシートであります。
Q7のラゲージスペース
写真左のボタンを押していると、3列目シートが電動で収納されます。
が、トノカバー(外から見えないようにするカバー)があると、その都度トノカバーを取り外す必要があり、結果電動の意味を果たさないこともあります。
ちなみに、3列目シートを収納すると、ラゲージスペースは広く、スーツケースやゴルフバッグもたくさん入りそうです。
また、2列目シートも収納可能になるため、完全フルフラットになります。
車内で横になるのもOKですし、容量の大きな車は自転車なども簡単に積むことも可能です。
なお、3列目シートを出している状態でのラゲージスペースの広さの写真を撮るのを忘れてしまい、記録にも記憶にもない状況になってしまいました。すみませ
ん。
電動でドアは開閉します。
アウディ Q7 2.0TFSI
クアトロ 走行性能
アウディQ7
2.0TFSIクワトロの走行性能を紹介します。この重たいボディに2.0Lターボエンジンという組み合わせが少々気になる点でもあります。
Q7
2.0TFSIクワトロに搭載されている2.0Lターボエンジンの実力
Q7 2.0TFSIクワトロにはA4 2.0TFSIクワトロと同じCYRが搭載されています。
まず言えることは普通に加速性能に優れたエンジンであると言えます。街中で走る際にモッサリした感じは無く、高速道路でも少々力が少ないようにも感じます
が、キックダウンをすればあっという間に1XXkm/hの速度に達します。
例えば、一般道で追い越しをする際も、ある程度の距離があれば追い越しをすること可能です。
つまりアルファード・ヴェルファイアの2.5L(ガソリン)に乗るようなイメージです。
2代目以降のアルファードでは、2.5Lも3.5Lも加速性能では
あまり変化はありません。3.5Lの方が踏み込んだ時に急激な加速が得られる程度です。おそらく、Q7
3.0TFSIもこのボディの重たさとなれば、2.0Lの加速感よりも若干上という程度で、体感的には ほぼ感じられないでしょう。
※アルファード2.5とQ7
2.0ターボと加速感が同じとは申し上げておりません。
したがって、実用上やアウディというブランドだけで購入を検討されているのであれば、2.0TFSI
クワトロで充分だと思います。アウトバーン走行や走りに言葉で表せない「ゆとり」を求めるなら、3.0TFSIクワトロが良いのではないでしょうか。
ということで、私は、ぜひ3.0 TDIクワトロ(ディーゼル)が日本で正規販売されてることに期待したいと思います。
ちなみに、
本来V12でも押し込められるであろうエンジンルームは、直4-2.0Lではスカスカです。
Q7の高速道路の走行性能
今回は東名高速と小田原厚木道路を走行しました。
一言、
さすがQ7はアウトバーンで鍛えられたメーカーの車である。
と感心しました。
例えば、レクサスRXと比較をしましても、高速時の路面への吸い付き感は大きく異なり、アウディQ7であれば、200km/hでも指一本で運転できそうな
くらい安定しています。RXならば200km/h走行時も片手で運転するのがやっとでしょう。
ステーションワゴンのような感覚で運転出来ます。
Q7の山道の走行性能
まず、エンジンの性能は優れていると言え、上り坂であっても苦労はしません。ある程度パワーが必要な場合にはDからSに入れれば、必要十分のパワーを得る
ことが出来ます。
でも、驚くのはハンドリング性能です。
SUVでこれだけ車高が高い車であるにも関わらず、コーナリング走行する際には安定して曲がっていきますし、ある程度スピードが出ていても不快なほどロー
ルしません。
同乗者がいるときは、もう少し大人しく運転をする必要がありますが、普通のQ7でも十分なコーナリング性能を持っていることから、はたしてSQ7などが発
売されたときには、どのような走りが出来るようになるのか非常に楽しみです。
Q7で街中や狭い道を走行するのは厳
しい?
北川温泉で道に迷いました・・・。
まず、狭い道に関しては車幅感覚を覚えてしまえば、何も気にすること無いと思います。もっとも、対向車とすれ違う際に、目いっぱい左に寄らず、減速もしな
ければ「あんなデカイ車に乗るんじゃねぇ」と思われることもありますので、マナーが大事です。
一方、街中走行の場合、たしかに車体は大きいのですが、ハンドルの切れ角が大きいためか、狭い路地の交差点も切り返しせずに曲がることも可能ですし、駐車
場に入れる際も狭い駐車スペースであっても、普通の車を運転するような感覚で車庫入れが可能です。
したがって、デカイ図体の割に、繊細さがあるのか、街中でも大変走りやすい1台では ないでしょうか。
アウディ Q7 最先端機能
この項目では、主にAudi MMIの紹介(A4と内容は似ますが)、バーチャルコックピットの紹介やクルーズコントロールの紹介をいたします。
Audi MMIの紹介
コントローラ(ノートパソコンのタッチパッドの感覚で操作出来ます)
Q7のAudi
MMIのコントローラは上記の写真のようになっており、A4(現行)とは少々異なります。使いづらいことは他のアウディのページで紹介している通りです。
最新技術を感じられる装備としては、
サラウンドビューカメラ(上空から撮影しているように見える)が装備されていたり、
Audi MMIのモニタでニュースが見られます。
このあたりは、アウディA4 2.0TFSIクワトロ(B9)のページでも紹介しましたので、割愛させていただきます。
アウディのバーチャルコックピット
バーチャルコックピットとは、メーターパネル内が液晶になっており、車の情報を自由自在にメーター内に表示することが可能です。
代表例は地図表示
メーターパネル内のほぼ全画面に地図を表示することが可能です。
例えば目的地設定を行っているような場合には、視線をそらすことなく地図情報を確認することが可能です。ただし、全画面表示している場合には速度計(写真
右)がデジタル表示のみになります。
地図表示をGoogle Mapと組み合わせると、
海沿いをドライブすれば美しい景色が上空から眺められます。
Googleではないストリートビューも
都市部のみ表示されます。
Audi
TTに以前試乗した際、TTにはセンターモニタの装備が無く、目的地設定や現在地表示のすべてメーターパネル内で行う必要があったため、非常に利用しづら
いものでした。
しかし、Q7やA4に装備されるようになったバーチャルコックピットの場合、カーナビの基本的な操作はセンターモニタで行い、それを補足する機能がバー
チャルコックピット内にあるため、比較的使いやすいものと思われます。
だからと言って、必要かと問われたら私は9万
円支払ってまで必要な装備ではないと主張させていただきます。
マトリクスLEDヘッドライト
いわゆるアダプティブヘッドライトのことで、ハイビームにした際に、前方の車両や対向車がいる箇所だけをロービームにしてくれる機能で、郊外や田舎道に走
行する際に視認性の向上につながります。
Challenge drive.netにおいては、メルセデス・ベンツEクラスやレクサスLX570のページなどで紹介しています。
夜間の走行は写真撮影が難しいのですが、車のいない箇所だけをハイビームにしてくれます。
今回は交通量の少ない真っ暗な道路が無く、マトリクスLEDヘッドライトの実力をあまり上手にテストすることが出来ませんでしたが、他社のアダプティブ
ヘッドライト同様、なかなか優秀なように思えました。
ただ、偶然かもしれませんが、若干反応が鈍いと感じることがあり、対向車に対して明るいまま照らすこともあり(※)、速度が高い時には注意が必要になるか
もしれません。
※通常このような場合には減光等義務違反に問われる可能性もあります。
なお、今回の場合には高速道路上であるため、反射板が設置されているため問題ないと認識しております。
アウディ
Q7 2.0TFSIクワトロ 総評とまとめ
車体は大きくても実用的であり、しかも2.0Lエンジンなら燃費も悪く無く、客観的に見れば非常に良いクルマであると言えます。しかしながら、Q7の外観
のデザインは1,000万円近い車両でありながら、あまりに無難過ぎて面白さが感じられないマジメなサラリーマンのようです。
と言いつつ、レクサスLXがアメリカ車寄りの車であると感じられるのに対し、Q7は立派なドイツの車です。SUVであってもドイツ車の魅力は忘れさせてく
れません。
Audi Q7
2.0TFSIクワトロ まとめ
・見た目からしても、とにかく大きな車体である。
・大きな車体に対して東京都心であっても運転しやすくアメリカの大型SUVとは大違い。
・酷い悪路を走行するわけでなければ、アウディクワトロの技術が採用されており、雪道も強い。
・2.0TFSIエンジンは、これだけ大きなボディでも十分な加速性能を得られる。
・加速性能が十分であるのに対し、ボディの重たさに対する燃費が良いと言える。
・ドイツのアウトバーンであっても問題なく追越車線を走れそう。
・考えられるデメリットは、デザインが無難過ぎる点くらいしか思いつかない。
もし、特大の車に抵抗が無ければアウディQ7はオススメしたい1台です。今回の試乗車のように外観無オプションだと少々味気の無いクルマになってしまうた
め、S-lineを装備すればよりカッコよくなるでしょう。
(おまけ)アウディ
バーチャルコックピット3D地形図
アウディのバーチャルコックピットには、都市部で地形図が3Dで表示されるようになっており、ビルもリアルに再現されています。
そこで、どのくらいリアルにビルが再現されているのかを見てみました。
まずは浅草にやってきました。
雷門の目の前に車を停車させました。
これを、3D地形図で見ると・・・、
デニーズやセブンイレブンがあることは教えてくれるものの、残念ながら雷門のイラストはありませんでした。この地形図だけだと、まっすぐ進めると勘違いし
てしまいそうです。
では、浅草からほど近い大人の遊び場の場合だと・・・、
大人の遊び場にやってきました。(決して私が遊んだわけではありません・・・・)
公衆衛生的に店の名前は分かりづらい方が良いでしょう。
ビルだけの地形図のようです・・・。
そのため、バーチャルコックピットを見ながら目的のお店に行くことは出来なさそうですね。
ちなみに、写真撮影は行えませんでしたが、国会議事堂前を走行する際にも国会議事堂の建物は3D地形図に表示されませんでした。
したがって、バーチャルコックピット(の地形図)は芸術を写すものでは無く、あくまでも実用上便利にする(車線が表示されたり、コンビニが表示されたり)
た
めの機能であると言えるでしょう。
関連項目:
アウディ A4
2.0TFSIクワトロ(B9)
アウディ SQ5(3.0/クアトロ)
アウディA6アバント
2.0TFSIクアトロ(後期)
アウディ
A4アバント 2.0TFSI クアトロ
アウディA7 55TFSIクワトロ Sライン ファーストエディション
C220d(BlueTEC) Avantgarde
BMW318d Luxury
レクサス LX570(後期)
ポルシェ マカンS
ランドローバー ディスカバリースポーツ
USトヨタ シエナ SE
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