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アウディ A6アバント 2.0TFSI クアトロ
(C7系/後期モデル)
アウディA6アバントは、Eセグメントに分類される車両で、アバントはツーリングワゴンを表します。ライバル車は、メルセデスEクラス
ステーションワゴン/BMW5シリーズ ツーリング。
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試乗車概要
AUDI A6 Avant 2.0TFSI Quattro
2016年現在のA6(C7系)は2011年にデビュー2015年にマイナーチェンジが施されました。
マイナーチェンジの目玉はダウンサイジングされた点にあり、詳細は後述します。
正式グレード
Audi A6 Avant 2.0TFSI Quattro
排気量
|
2,000㏄
|
最高出力/トルク |
252ps/37.7kgm |
走行距離 |
約100km
(首都高・街中) |
今回の平均燃費
|
測定せず |
車両本体価格 |
約720万円ほ
ど |
試乗日の路面状態 |
ドライ・ウェッ
ト
|
|
|
今回試乗したA6ア
バント 2.0TFSI クアトロは、A6の中間グレードに位置します。
前期モデルでは、V6エンジンを搭載した2.8FSI(NA)が中間グレードとして存在しましたが、アウディA6もダウンサイジングの波に飲み込まれてし
まったようです。現在のA6 2.0TFSIには直列4気筒-2.0Lターボエンジンが搭載されており、新型A4
2.0TFSIにも同じエンジンが採用されています。
もちろん、高額になりますが3.0TFSI クアトロもラインナップされており、ダウンサイジングとは異なるターボエンジンを堪能することも可能です。
アウディ
A6アバント2.0TFSI クアトロ エクステリア
色はアイビスホワイト。グレードも2.0TFSIのみで、S Lineパッケージなどの装備も無い、いたってノーマルのタイプです。
アウディってA4とA6の区別がつき
ません。
A6アバント フロントから撮影
写真ではボディの大きさは分からず、このクルマがA6アバントなのか、A4アバントなのか、パッと見で判断することが出来ません。これは、メルセデスでも
言えることであり、格が上の車なのか下の車なのかが瞬時に判断出来ないようなデザインが少々残念でもあります。
横から見た姿も特別な印象は無し
A6アバント サイドから
個人的には美しいデザインであると思いますが、ステーションワゴンとしては平凡であり、特別な感想はありません。
後期モデルから採用された17インチアルミのデザインが「好き」というくらいでしょうか。
Audi A6 Avant
リアから
A6アバント サイドから
LEDが多様されているとだけ伝えておきます。
アウディ
A6アバント2.0TFSI クアトロ インテリア
今回の試乗車の内装は黒を基調とし、ごくごくありふれたシートになっています。レザーシートも装備されています。
先代A6より座面が低くなったフロン
トシート
先代A6にも以前試乗したことがあるのですが、リフターで一番下にしても、クラウンのようにシートが高く、残念な印象がありました。しかし、現行型になっ
てからは、もう少し低くなっても良いとは思いつつも、十分な低さになっています。
装備されているのは、パーシャルレザーシートのようです。ドイツ車ですので座り心地は悪くありませんが、ベンチレーション機能は無く、夏は辛いです。
後部座席は狭い
フロントシートを快適な位置にした場合、リアシートは狭くなります。
また、例えばカバンを後部座席に置き、少し勢いよくコーナーを走行すると、右側に置いたカバンが左に移動してしまうくらい、滑りやすい印象を持ちました。
スポーティ性を重視したインテリア?
シートはいたって普通のレザーシートで、スポーツシートという印象はありませんが、デコラティブパネルはアルミ調のモノ(サテンフィニッシュ)が採用され
ています。
デザインが変更されたシフトに
Audi MMIのコントローラ
シフトレバーのボタンが前期モデルのA6では横についていましたが、後期モデルのA6では前側についています。ただし、最近のアウディA4以上の車を見る
と軽く動かすだけでシフトが切り替わる電子制御式のものが多くなりました。
そのことを考えると少し時代遅れかもしれませんが、A6がフルモデルチェンジする頃には大幅に改良されるでしょう。
年寄りでも分かりやすいエアコン
A6アバントのエアコンスイッチ類
温度調整はダイヤル式であることから、誰にでも操作しやすいものと思います。もっとも、フルオートエアコンが装備されており、AUTOのボタンを押して、
温度調整さえすれば自動的に快適な温度にしてくれるのですが。
ただし、細かい調整はモニタ(MMI)で操作する必要がありますが、少なくとも、クラウンのエアコンに比べれば圧倒的に操作がしやすいです。
夜のインテリア
A6/A6アバント 2.0TFSI以上のグレードには、アンビエントライトが標準装備されています。
そのため、夜になると赤く照らされた車内がイヤらしく感じてしまいます。ただし、メルセデスベンツSクラスとは異なるため、ラブホテルのようなインテリア
を再現することは出来ません。
ラゲージルームは広いように見える
が・・・
A6アバントのトランク
A6アバントのトランクは広いように見えます。荷物もA6セダンと比較をすれば多く入ると思います。しかしながら、ゴルフバッグの数で考えると、大きいサ
イズになると3つまでしか入らないようです。
とは言え、A6アバントで楽しむ週末はゴルフだけでは無く、ファミリーでキャンプに行くも良いし、コストコに買い物に出かけるも良いし、当然4WDである
ことから冬にスキー場に行くのにも向いており、A6セダン以上に実用性が高いのは間違えありません。
電動式リアテールゲートも装備しています。
さらには、キーを携帯した上でリアバンパー下で足を動かせば、自動的に扉が開くバーチャルペダル機能も装備されていたりします。
アウディ
A6アバント2.0TFSI クアトロ 走行性能
今回は都心を100kmほど走行したのみに留まるので簡単に紹介します。
A6アバント高速道路(首都高)の走
行性能
当然アウディ車はドイツ車であり、高速道路走行時の安定感は日本車と比較をしても圧倒的に高く、指一本でも気持ちよく運転することが出来るほどです。クア
トロ(4WD)であるためか、他のドイツ御三家と比較をしても優れているような印象もあります。
ただし、急カーブの多い首都高ですが、コーナリング性能には若干不満があり、先述した通り、少し勢いをつけて曲がろうものなら、右にあったカバンは左側に
移動してしまいます。また、体感的にも体が持っていかれる感じがあります。
ただし、橋のつなぎ目を通過する際にも乗り心地自体は良いため、助手席や後部座席でワインを飲みながら乗車していたとしても、飲むときに洋服が汚れる心配
はありません。
A6アバントで街中(都心)を走行す
ると・・・?
特に不満はありません。
アウディ車って、比較的前から日本車のようにハンドルが軽く設定されており、街中での取り回しも容易であり、それは現行のĄ6アバントでも変わりありませ
ん。(高速域の速度になると自動的にハンドルが重たくなり、安定感が増します。)
ただし、BMW5シリーズ同様、Eセグメントの割に車体幅が大きいため、駐車場に入るには一苦労します。
新しくなった2.0TFSIエンジン
アウディA6/A6アバントのマイナーチェンジの最大の目玉はなんといっても、ダウンサイジングターボエンジンです。
前 後
2.0TFSI ⇒ 1.8TFSI
2.8 FSI ⇒ 2.0TFSI
3.0TFSI ⇒ 3.0TFSI
上記の通り、エンジンのラインナップが変更され、V6エンジンのNA車が無くなってしまいました。
今回の試乗車は中間グレードにあたる2.0TFSIなのですが、マイナーチェンジ前の2.8FSIと比較をすると、とにかく速いです!
ほんの少しアクセルを踏んだだけでも、良い加速をするため、2Lでありながら何とも心地の良いクルマです!
そしてこのエンジンは、新しくなったA4/A4 アバント 2.0TFSIクアトロにも
ほぼ同じエンジンが搭載され、ボディが軽い分、どういった加速性能を体感できるか気になるところです。
アウディ
A6アバント2.0TFSI クアトロ 機能面
A6アバントのステキな機能や安全性を紹介します。
スピーカーはBOSEが標準装備
A6アバントに搭載されているBOSEスピーカー
アウディA6/A6アバントには音響の素晴らしさに定評のあるBOSEサラウンドサウンドシステムが標準で装備されています。音質の特徴としては、重低音
が強い点にあるため、あまりボリュームを上げると、スピーカーから激しい振動が起きます。
また、オプションでBang &
Olufsenアドバンストサウンドシステムにアップグレードすることが可能で、その額なんと86万円だそうです・・・。Bang &
Olufsenを試したわけではありませんが、BOSEでも十分に良い音を出していることから、よほど「こだわり」が無ければBOSEで充十分でしょう。
カーナビ(MMIナビ)で表示される
ビルが立体的
モニタでも実際に街中を走っているように感じます。
ただし、私は3D表示は好きではないので、あまり使いません。
マトリクスLEDヘッドライト
オートマチックハイビームが装備
オートマチックハイビームは当たり前で、ハンドルの切れ角に応じて
その向きに光を当てたりしてくれる最新鋭のヘッドライトです。おそらく、以前メルセデスE220dで紹介した機能的なヘッドライトと同じようなものでしょ
う※。
※一応聞いた話だと、アウディのマトリクスLEDヘッドライトの方が機能としては優秀らしいです。
そして、街中で利用しても何もマトリクスLEDヘッドライトの恩恵を受けることはありません。
流れるウインカー(シーケンシャル点
灯)
写真は決して整備不良で無ければパーキングランプでもありません。
左にウインカーを点滅させている状態です。
左から右へ
すべてが点くと かなり明るいです。
最近ではレクサス(LXやRXのLED装備車)でも真似をしていますが、日本においては2014年に道路交通法が改正され、ようやく流れるウインカーの車
も公道を走れるようになりました。
この流れるウインカーの安全上のメリットは特に感じられませんが、一目見て美しい動きをするウインカーは、オシャレな欧州車には必須の装備とも言えるで
しょう。
アウディ ドライブセレクト
SQ5のページでも紹介しましたドライブセレクトです。走行モードの切り替えが出来るものですが、いろいろ変えては見たとのですが、体感的にはよく分かり
ませんでした・・・。
アシスタンスパッケージは必要装備
アウディサイドアシストは、斜め後方に車両を検知した場合、黄色いランプが警告します。
(写真ミラーについている黒い部分)
その他、アダプティブクルーズコントロールが装備されるなど、近ごろのクルマでは必須の装備となります。3.0TFSI/S6(アバント)では標準装備。
2.0TFSIと1.8TFSIではオプションとなっています。(20~23万円)
アウディ
A6アバント2.0TFSI クアトロ 総評
基本的に私は「ダウンサイジング」が大嫌いな人種であり、メルセデスにしてもBMWにしても6気筒のクルマが高嶺の花になってしまいました。しかし、それ
を踏まえても、A6アバントはダウンサイジングされて良かったと心から思えます。
以前の2.8FSIは2.8LのNAエンジンでしたが、エンジンの加速性能や数値を見れば、2000年ごろに生産していた車と大差が無く、実際にアクセル
を踏んでも気持ちよい加速感はありませんでした。それが、2.0TFSIだとビックリするくらい加速をするのです。
ただ、それ以外に何か伝えたいことがあるかと問われれば、非常に答えづらく、それほど面白味の無い車でもありました。
アウディ A6アバント
2.0TFSIのポイントと まとめ
・基本的に快適であるため、ラグジュアリーファミリーカーとしての位置づけが最適。
・2.0Lターボエンジンは加速が良く、街中走行でも最適。高速も快適。
・ダウンサイジングされたエンジンでも燃費は変化が無さそう。
・安全装備は充実。ただし、オプションでもあるものも多い。
・ハンドリングが良いとは言えない。
などなど
ということで、Challenge drive.netではA6アバント 3.0TFSI クアトロ Sライン
パッケージ(3.0TFSIで+58万円のオプション・・・)をオススメしたいと思います。
関連項目:
アウディ
A4アバント 2.0TFSI クアトロ
アウディ A4
2.0TFSIクワトロ(B9)
アウディ SQ5(3.0/クアトロ)
E220ブルーテック(クリーン
ディーゼル)アバンギャルド AMGパッケージ
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